日テレ一強の決算にみるテレビ戦略の致命的ミス

放送産業の大きなパラダイムシフトをひもとく

2020年度のテレビ局の放送収入で抜きん出ている日本テレビ。テレビ局各局は今後どうやって生き残ろうとしているのか、数字からひもときます(写真:yu_photo/PIXTA)
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テレビ局の2020年度決算が出そろっている。当然、コロナ禍の影響をもろに受けて惨憺(さんたん)たる状況。ただ細かく見ていくと微妙な差異が見てとれる。そして中期経営計画や長期戦略を発表した局もあり、そこからテレビ局が今後どう生き残ろうとしているのかも読み取れる。

在京民放キー局5社は認定持株会社となっており、ホールディングスの傘のもとにさまざまな業態を含んだ企業グループを形成していて、それぞれまったく事業の構成が違う。そのため決算を連結で見ても「テレビ局本体の現状」が見えてこない。

日テレ一強の放送収入

そこで私はここ数年、決算の中から「放送収入」にあたる数字を取り出して見ている。各局がタイム枠とスポット枠に分けて表記している広告売り上げこそが、テレビ局の本業ど真ん中の数字と言えるからだ。

(外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。)

※単位は百万円(筆者作成)

タイム枠は番組の途中に流れる提供枠の収入。スポットは番組と番組の間に流れるCM枠で基本的には番組と関係なく売られる。スポットはその名のとおり必要なタイミングで買われるので変動性が高い一方、タイム枠は固定的な枠で1クール単位で売買されるので変動しにくいという違いがある。

実はここ数年、スポットは大きくダウンしタイムもじわじわ下がっていた。コロナ禍でその傾向が増幅されたのが2020年度の特徴だ。

4〜6月にスポットが3割ダウンし、下期にはやや持ち直したが通期で10%以上の減少となった。とくにテレビ朝日とフジテレビの下げ幅が大きい一方、日本テレビはタイム枠の減少が比較的小さく済んだ。

この表を頭に入れたうえで、今度は棒グラフを見てもらおう。

(筆者作成)

テレビ東京を除くと横並び状態の中、日本テレビが抜きん出ているのがわかるだろう。元が大きいので各局同様放送収入が減っても逆に一強ぶりが際立った。フジテレビは長らく2位に踏みとどまっていて今回もかろうじてその順位を守ったものの、もう限界か。またテレビ朝日は一時期、視聴率で日本テレビを猛追と言われていたものだが、収入で見るとちっとも追いついていないことがわかる。

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