東京女子医大の現役医師が訴える深刻な労働実態 退職超過「診療に支障きたす事実ない」は本当か
東京女子医大は、「3月の退職者数は、ほぼ例年通り」と主張しているが、これまで具体的な数字は示していない。
本院の中には、医師数が大幅に減少した診療科がある一方、変動がほとんどないところや逆に医師が増えた診療科もあるという。
医師数についての回答
そこで、5月初旬、東京女子医大・広報室に対して医師数などに関する質問状を改めて送付した。取材拒否だった前回とは違い、回答書が返ってきた。
3つの付属病院について、今年4月1日時点で在籍している医師数を尋ねたところ、東京女子医大からは、昨年のデータも合わせて回答があった。医師数は常勤医のみで、非常勤や出向・派遣は含まないことを確認している。
2020年4月1日 本院890 東医療269 八千代医療219 合計1,378
2021年4月1日 本院889 東医療246 八千代医療210 合計1,345
昨年から今年にかけて本院の医師数は「−1」。ほとんど変動がないという回答だった。3病院合計では「−33」となる。
次に年度替わりで、どれだけの医師が入れ替わったのかを確認するため、「今年3月末で退職した医師数」と「4月1日以降に入職した医師数」を質問した。
退職:2021.3 本院121 東医療41 八千代医療39 合計201
入職:2021.4 本院104 東医療33 八千代医療26 合計163
本院の場合、3月に退職した医師数と4月の入職との差は「-17」。
3病院の合計では、医師201人が退職、入職は163人だったので、「-38」になる。
4月20日の記事において、筆者はその時点で確証を得ていた「3病院で100人以上の医師が減り、今年度の採用はこの数に及ばない」と記した。
今回、東京女子医大が明らかにした医師の退職者数は、記事の数字を大きく上まわる「3病院で201人」だった。
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