東京女子医大の現役医師が訴える深刻な労働実態 退職超過「診療に支障きたす事実ない」は本当か

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縮小

主力となっているのが、医師3年目から7年目の若手。専門医の資格をとるために、後期研修を受けている医師たちである。昨年、本院の内科には、約30人が採用された。それが、今年の採用は半分に減ってしまったという。その影響で、今年4月からコロナチームの維持が難しくなったと、C医師は証言する。

「後期研修の医師が昨年の半分に減って、コロナチームのローテーションが組めなくなりました。それで指導医クラスの医師も駆り出されています。医師不足だからといって、コロナ対応に影響を出すわけにはいかず、残っている現場の医師で維持するしかありません。4月からずっとオーバーワークです」(C医師)

現在は、20人だったコロナチームを16人に縮小して、指導医を務める立場の医師(助教など)も加わっている。コロナ病棟の担当になると、当直は月4回。コロナ陽性の患者対応では、昼夜を問わず常に緊張が強いられる。最近ではコロナではない、外科系疾患の患者まで診ることになり、体力的にも精神的にも厳しいという。

「無理をすれば何とかなる。やるしかありません」

コロナチームの対応もしている前出のA医師は、本音を話してくれた。

「私たちが無理をすれば、何とかなる。他に代わりの医者はいませんから、やるしかありません。でもコロナチーム以外に、内科の合同当直、救急外来の当番、そして所属している診療科の仕事もあります。若手内科医の負担は、本当に大きくなりました」(A医師)

<影響③ 診療チーム3班が1班に縮小>

東京女子医大には、レベルの高い診断力や治療スキルを若手医師に丁寧に教える伝統があった。それが急激な医師の減少で、失われようとしているという。

「うちでは10年以上の経験を積んだ医師が班長になって、若手医師6、7人のチームを指導しながら病棟の患者を受け持ちます。これくらいの人数だと班長の指導が行き届いて、担当患者を丁寧に診ることができますし、検査の見落としなどのミスも防げます。

しかし、今年3月末に指導医クラスの医師が一気に辞めてしまい、内科のある診療科では3チームから1チームに縮小されました。その診療科では若手のフォローが十分にできなくなっています。診療の質にも影響しますので、ミスや事故が起きないか、心配ですね」(前出のA医師)

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