実は、筆者が今回もっと驚いたのは、フロア続きの場所にある「ダイソー」だ。「渋谷区最大級」とあるが、渋谷区どころではない広大さで、すべての売り場をチェックするのが一苦労なほど。
若者の多い場所柄か、コスメのコーナーが目立つ場所にあるうえ、スナックやキャンディーなどの食品も充実している。こちらの商品は、おしゃれ感よりもザ・ダイソーというテイストだが、価格帯はやはりバラバラだ。300円の収納ボックスもあれば、500円のスマホアクセサリーも並ぶ。
今やダイソーをはじめ、100円ショップチェーンは100円以上の商品を置くことが当たり前になった。キャンドウやワッツも高額商品シフトに積極的で、今後もその方向に進んでいくと明言している。
消費者側も、絶対に100円でなければというより、この金額でこの機能・価値なら「お値打ち」と感じればためらわずに代金を払う。例えば、アウトドアブームで人気のワンタッチ式一人用テントは、1000円(税込み1100円)で買える。100円ショップで1000円とは何事だ、とはもはや誰も言わない。
オール100円にこだわるよりも、「今欲しいものをなるべく安い価格で買いたい」というニーズに応えてくれるのが、今の100円ショップなのだ。
ダイソーなのに、1000円の釣り竿
例えば、目立つのはキャンプグッズ。ソロキャンプを意識したバーベキュー用のミニコンロやアルミ製の食器、ランタンなど価格も種類もさまざまだ。アウトドアつながりでフィッシング人気が高まっているが、ダイソーではリール付きの釣り竿も1000円で売られている。釣りの仕掛け(針)やメタルジグ(疑似餌)の品ぞろえもなかなかだ。他にも、DIYや手芸パーツなど、巣ごもり生活を彩る趣味キットも豊富にそろう。
さらに、テレワークで必要になりそうなIT関連の小物や、スマホアクセサリーも充実している。ワイヤレスマウスやUSBポート、マイク付きイヤフォンに充電ケーブル類は100~500円前後。スマホやタブレットでオンラインで話したり動画を楽しむためのホルダーやスタンドも各種ある。
かと思えば、コロナ下のニューノーマルに対応したアイテムも。マスクホルダーや、除菌アルコール用のミニスプレーボトル、指の代わりにタッチパネルを押すことができる非接触用スティックなど、至れり尽くせりだ。
100円ショップこそ「生活必需品」の宝庫ではないか。しかし、大規模ショッピングセンターやファッションビルのテナントで入っているため、休業している店舗も少なくない。逆に、スーパーと同じ建物内にある店舗は営業していたりと、なんともちぐはぐだ。
食品やキッチン用品、文具やスマホ用品、趣味・レジャー・収納グッズなど、われわれの生活に関わるあらゆる品がそこで揃う100円ショップは、ぜひ「生活必需品取り扱い店」として認定してほしい。
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