「敗者復活」のKDDI、ミャンマーに参入 目指すは日本流の高品質通信サービス

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KDDIが参入するミャンマーはどのような市場環境なのか。

 2013年の人口は約6500万人、平均年齢は27.9歳と若く、今後5年で7100万人を超えると予想されている。13年の携帯電話加入数は683万件で普及率は10.8%に過ぎないが、政府の目標では16年までに普及率を80%に引き上げる方針だ。ちなみに、総務省のデータによると、日本に置き換えた場合、10%前後の普及率は1995年末の数値(9.6%)とほぼ同じ水準だ。

アジアの新興国に標準

採用されている通信規格は第2世代のGSMと第3世代の3Gが混在しており、現在はデータ通信ではなく音声通話による利用がほとんど。1契約当たりの月間収入(ARPU)は、主に富裕層が利用しているため、東南アジア(約7~8ドル)と比べて高めだという。「ミャンマーはラストフロンティアとも言われ、世界中から投資先として注目されている。平均年齢が若く、これから携帯電話を多く持つ人が増える市場だ。アジアで最も親日的な国のひとつでもある」(石川専務)。

 大手携帯会社の海外戦略では、ライバルのソフトバンクが米国でスプリントの巨額買収を仕掛け、さらにTモバイルUSを手中に収めようとしている。同社は1契約当たりの収入が高く、契約数も伸びている市場を狙い、世界規模のスケールメリットで勝負する戦略だ。

一方、KDDIは長期の事業展開を前提に、新興国の成長を取り込む形と言える。石川専務は「海外の中でもアジアは強化すべき地域。通信は生活を豊かにする機能を提供できるので、社会の発展に貢献していく。こうした意義を強く意識して参入している」と語った。まさに生き方の違う両社だが、果たして最後はどちらが笑うのか。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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