「敗者復活」のKDDI、ミャンマーに参入

目指すは日本流の高品質通信サービス

単独参入はかなわなかったが、現地企業の知名度を足掛かりにシェアトップを狙う

1年以上の時間を費やし、ようやく敗者復活となった恰好だ。7月16日、KDDIは住友商事と共同でミャンマーの通信市場に参入すると発表した。現地の国営事業者「MPT(ミャンマー国営郵便・電気通信事業体)」と組む。KDDIは昨年にもミャンマー進出を目指していたが、6月に通信事業免許の最終選考で敗退。その後はMPTと連携する形の参入に向け、交渉を重ねてきた。

今回提携するMPTは、ミャンマー情報通信省の傘下で通信、郵便、電報事業を担当する国営事業者。通信分野ではモバイルや固定通信事業を展開する。KDDIが50.1%、住友商事が49.9%を出資する子会社を通じてMPTと事業を展開し、得られた収益は両社で分配する。MPTは国営事業者のために合弁会社を設立できず、ほぼ近い形の組織を作るという。

 設備投資も実施

一方、共同で事業に臨む住友商事は、60年にわたり水道や鉄道など、ミャンマーのさまざまなインフラ構築を支援。「MPTとも30年前から協力関係にある」(住友商事 佐々木新一副社長)という。最近でも工業団地の建設プロジェクトが進行中だ。こうしたノウハウに加え、KDDIは設備投資やマーケティング、顧客サポートも含めた高品質なサービスで顧客獲得を狙う。

 サービス領域としては、日本と同様、携帯電話をメインに固定事業も展開し、セキュリティや金融、教育、医療といった分野でコンテンツサービスも提供する見込みだ。第3四半期には、昨年KDDIと争って免許を取得したノルウェーの通信業者など数社が参入してくる予定だが、KDDIの石川雄三専務は「必ずトップシェアをとらなければならない。1~2年目は設備面で大きな投資をしていくが、早い段階で黒字にできると思う」と意気込む。

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