家も危険!突発する「面識ない人に襲われる」怖さ 茨城一家殺傷事件だけじゃない理不尽な事件
2016年10月19日、大阪府門真市。ここに夫妻と長女、次女、長男の家族5人が暮らす2階建1戸住宅があった。そう、家族構成も家の造りも一緒だ。今回の事件の起きる3年前のことだ。
まだ夜も明けていない午前3時半ごろ、1階の居間に通じる窓ガラスをガスバーナーで炙って冷却剤をかけて割る「焼き破り」と呼ばれる空き巣の手口で、割った窓から鍵を開け、ひとりの男が家の中に入ってきた。
1階に住人の姿はないことを確かめると、男は階段を昇る。2階に上がったところで右手の部屋の引き戸を開けると、父親が寝ているのを見つけた。男はそこに馬乗りになるなり、持参した刃渡り約30.7センチメートルの短刀を相手の胸部に振り下ろした。
父親は30回以上も刺されて絶命
「誰や!お前!」
胸を刺されて目の醒めた父親が叫んだ。そこへ不信に思った長女が同じ2階の別の部屋から出て来た。狭い廊下から誰かが父親の上にまたがっているのが見えた。すぐに電灯を点けると、まったく知らない人物だった。
驚いて、父親の横で寝ているはずの長男の名を呼ぶ。すぐに男は長女に向かい、短刀を頭めがけて振り下ろす。異変に気付いた次女も別室から出てきた。そこに男が近づいていく。次女が恐怖のあまりそこにしゃがみ込むと、容赦なく短刀を首や頭に振り下ろした。
ようやく姉たちの助けを求める声に気付いた当時高校生の長男が起き上がろうとしたところに、男の短刀が襲いかかってきた。柔道の心得のあった長男は刃を掴んで抵抗し、左上腕部を貫通する怪我を負いながら男を抑え付け、そのまま意識を失っていく。その隙に長女は階下に降りて110番通報した。
父親は30回以上も刺されて絶命していた。一命をとりとめたとはいえ、次女は全治6カ月、長男は4カ月の重傷、長女は通院加療14日の怪我を負った。母親は祖母の介護で留守にしていた。この男と、襲われた家族とは、まったく面識がなかった。
ではなぜ、見ず知らずの男に一家が襲われたのか。
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