家も危険!突発する「面識ない人に襲われる」怖さ 茨城一家殺傷事件だけじゃない理不尽な事件

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「もしも、ぼくがやったのなら、ごめんなさい」

逮捕後に男はそう供述していた。しかも男は、自分が1人で犯行に及んだのではない、といった。

「脳波による指令を受けて家の近くで3人の男に会った」

そして、3人に連れられて玄関から家に入った、という。だから、どうしてあの家だったのか、その理由も説明がつかない。動機もわからない。

男には入院歴があった。事件の2年前に「妄想型統合失調症」と診断され3カ月入院。その後も通院と投薬治療を続けていたが、事件の半年ほど前から「薬は臓器をボロボロにする」と病院へもいかなくなった。事件の2か月前には病状が悪化。このころに凶器の短刀などを購入していた。

この男は起訴され、検察が死刑を求刑していた。だが、大阪地方裁判所の裁判員裁判では、2018年4月13日に懲役30年の実刑判決を言い渡している。犯行時の心神耗弱を認め、しかも犠牲者が1人だったことを理由に有期刑とした。

見ず知らずの男に父を殺され、傷を負わされた理不尽

これで悲憤やる方ないのが遺族だ。

「1人といったって人が死んでいる。おかしいと思った。1人殺したら死刑でしょ!」(次女)

「精神がおかしいのなら、人を殺してもいいのか。怒りしかない」(長女)

遺族たちは私にそう語っていた。

見ず知らずの男に、理由もわからないまま父親が殺され、自分たちも深手を負い、一時は命を危ぶまれたのだ。これを不幸というのなら、あまりに理不尽にすぎる。

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