「ワクチン後」に待ち受ける日本医療制度の課題

2022年度予算編成の焦点は診療報酬改定に

4月13日の経済財政諮問会議で発言する菅義偉首相(左端、写真:時事)

新型コロナウイルスの感染拡大「第4波」に歯止めがかからない。緊急事態宣言が5月12日に延長・再々発令されたが、人流を抑え込めていないようである。ワクチンなしに感染拡大を決定的に抑える手立てが見当たらない状況である。

新型コロナ対策やワクチン接種は重要だが、政府はそれだけしていればよいわけではない。6月には2022年度以降の予算編成の方向性を示す「骨太方針2021」を取りまとめる予定になっている。そこでは当然、ワクチン接種を進め、第4波を抑えた後のわが国の医療をどうするかも焦点となる。

骨太方針で財政黒字化目標を策定

民主党政権期に休眠状態だった経済財政諮問会議は、第2次安倍晋三内閣以降、骨太方針を毎年度取りまとめ、財政運営の方向性を打ち出してきた。

第2次安倍内閣で復活した「骨太方針2013」は2013年6月、国と地方の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を2020年度に黒字化する目標を閣議決定した。同時に歳出改革についても具体的な内容を盛り込み、閣議決定した内容を踏まえて各年度の予算を編成してきた。

2015年6月に閣議決定された「骨太方針2015」では、社会保障分野と非社会保障分野を分けて、「歳出改革の目安」として数値目標を定めた。

社会保障分野では「安倍内閣のこれまで3年間の経済再生や改革の成果と合わせ、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5兆円程度)となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで継続していくことを目安」とすると明記した。

つまり、2016年度から2018年度の3年間では、社会保障関係費の実質的な伸びを1.5兆円程度に抑えることを閣議決定した。そして実際、閣議決定通りに社会保障費の増加を抑えた。

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