子どもへの「誤った欲求」で不幸になる人の特徴 「苦悩モデル」と「安心モデル」の大きすぎる差

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習い事や中学受験など、住んでいる地域の周囲の皆さんに流されてしまう自分がいます(写真:YUMIK/PIXTA)

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小学校3年生の子がいる母親です。住んでいる地域の周囲の皆さんは、子どもが小さい頃から習い事をさせることや中学受験をすることが当たり前で、それに流されてしまう自分がいます。うちの子は、中学受験向きのタイプではないと思っているのですが、このような雰囲気に合わせないと子どもが孤立したり、将来困ったりするのではないかという焦りもあります。このような状況で親としてどのように判断したらよいでしょうか。
(仮名:長沼さん)

親の子どもへの欲求モデルにパターンがある

周囲の環境がそのような状況ですと、確かに判断の迷いが出てきそうです。「自分も周囲の当たり前に合わせないといけないのでは」と感じるのも無理はありません。

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そこで長沼さんには、「親の子どもへの欲求パターン」についてご紹介します。この点について認識できると、今後の判断の指針になるかもしれません。

筆者はこれまで30年以上にわたり、4000組以上の親子を直接見てきました。そこでわかったことのひとつに「親の子どもへの欲求モデルにパターンがある」ということでした。これを筆者は「子どもへの欲求4段階説」と名付けています。

子どもが生まれてから親となり、親が子どもに求める欲求段階がどのように推移していくのかということを「モデル」と呼んでいます。

有名な「マズローの欲求5段階説」(生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・尊重欲求・自己実現欲求)をご存じの方も多いと思いますが、そうしたものをベースに、筆者が子育てに関して見てみると、大きく分けて「苦悩モデル」と「安心モデル」の2つがあると感じています。

<苦悩モデル>
(第1欲求)生存の欲求
(第2欲求)心身の成長欲求
(第3欲求)平均から外れないことへの欲求
(第4欲求)親の思いどおりにさせたい欲求

<安心モデル>
(第1欲求)生存の欲求
(第2欲求)心身の成長欲求
(第3欲求)子どものいい部分を伸ばしてあげたい欲求
(第4欲求)子どもの人生を尊重したい欲求
次ページ第3欲求からは2つのルートに分かれる
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