子どもへの「誤った欲求」で不幸になる人の特徴 「苦悩モデル」と「安心モデル」の大きすぎる差

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この2つのモデルは、第1欲求と第2欲求が共通しています。

(第1欲求)生存の欲求

第1欲求は「生存の欲求」から始まります。つまり、子どもに元気で生きていてほしいという気持ちです。元気に生まれてきてくれただけで、親は幸せです。子どもが誕生したときに、多くの親御さんが抱く気持ちです。

(第2欲求)心身の成長欲求

第1欲求が満たされると、第2欲求が始まります。その欲求とは「心身の成長欲求」。つまり、すくすくと健康に育ってほしいという気持ちです。日々の子どもの成長は親の喜びであり、楽しみになっていることでしょう。

そして次に第3欲求が始まりますが、ここからは2つのルートに分かれるように筆者は考えています。

苦悩モデルの第3欲求・第4欲求

<苦悩モデル>

このモデルは、親としてなかなか安心できず苦悩の日々が続く可能性が高いモデルです。

(第3欲求)平均から外れないことへの欲求

子どもが成長し、幼稚園や保育園や習い事に通うことで、同年齢の子どもたちのスタンダード、平均値がわかってきます。すると、そこからどれだけ自分の子どもが外れているのか気になりだします。平均値から外れる部分としては「平均より上回る部分(長所)」と「平均より下回る部分(短所)」の2つがありますが、ほかより劣っている短所の部分が気になりだすと、長所を伸ばすことよりも短所を修正させることを気にしてしまいます。仮に短所が是正できたとしても長所もそれほど伸びないということもままあります。

このようにして、まんべんなく“ならされた”平均ゾーンに収まるようになると、親の不安感は一時的に減りますが、収まらないと、さらに短所の是正をするための指導を“加速”させたり、次の第4の欲求が出てきたりすることもあります。

(第4欲求)親の思いどおりにさせたい欲求

子どもに対して、◯◯であるべきという強い「理想の枠」を持っている場合、その枠に入れるために、無意識に命令口調となったり、行動を強制、抑制させたりすることがあります。その結果、その枠に収まらないとイライラの感情が出て、険悪な雰囲気を招くこともあります。

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