9割の人が「自分の強み」を知らないという残念 「正しい自己認識」ができれば人生は好転する

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わからないことは気軽に尋ねることができる。必要以上に背伸びせず、躊躇なくどんな質問もできる。意見が合わず対立することがあっても不必要な遠慮はしなくなる。

個人の強みが高く評価され、弱みが受け入れられている組織では、一人ひとりが自分らしく、ありのままに存在することができます。結果として、アイデアや知識、経験が強烈にぶつかり合い、とがった企画が生まれます。競争力の高い、クリエーティブな集団になれるのです。

また、自己認識は「心理的健康」に少なくない影響を与えると言われています。自分の選択や決断に迷うことが少なくなる分、不安を抱きにくくなるからです。自分の強みを知ることで自己肯定感が高まり、自分のことを受け入れられるようになります。

才能や気質に合った手法を選べると言うこと

自己認識ができている人は、自身の才能や気質に合った手法を選ぶことができます。それは自分がラクにできる(無意識にでも行える)手法であり、何より自分自身がモチベートされるやり方です。そうすると時間を忘れるほど、自分のやるべきことに夢中になれるのです。「正しく自己を把握し、自分が持っている才能を意識的に使うこと」こそが、本当の意味で人生を楽しむ秘訣ともいえます。

『「自分」を殺すな、武器にしろ』(朝日新聞出版)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

自己認識の精度を高めていくと、「私はほかの誰でもない」「私には、私だけの強みがある」と思えるようになります。そして、自分自身への理解が深まれば、自然と他者にも関心を持てるようになる。「相手はどのような才能を持っているんだろう」「あの人のために何かしてあげられることはないだろうか」──そんなふうに思えたら、あなたは、自分自身が持つ才能のタネを開花させることができるはずです。

生まれ持った能力に差があるのは事実です。しかし、そこで敵わない人と自分を比較することにメリットはありません。

ビジネスで成功したいのなら、何かの分野でトップに立ちたいのなら、人並み以上に稼ぎたいのなら、幸せな人間関係を築きたいのなら、技術以上に本来の自分自身が持っている素養、つまり「私らしさ」で勝負するのが唯一の方法といっても過言ではありません。

瀬戸 和信 SONOS JAPAN 日本代表/ギャラップ認定ストレングスコーチ

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せと かずのぶ / Kazunobu Seto

日本人の新しい習慣を創出する業務に携わる。Microsoftでは「Surface」の日本初代製品責任者として“新しいパソコンの使い方”を、Fitbitでは日本事業立ち上げメンバーとして“腕時計で健康増進するという習慣”を日本で広めてきた。2018年より現職に就き、日本での音楽の新しいライフスタイル提案に力を注ぐ。著書に「NewsPicks」の人気連載を書籍化した『クリエイティブ思考の邪魔リスト』と『「自分」を殺すな、武器にしろ』(いずれも朝日新聞出版)がある。

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