「音がうるさい」クレーム寄せる隣人への対処術 まずは誠意を持って受け止めて音源を特定

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もし音のクレームを寄せられたらどう対応すればいいのでしょうか(写真:yamasan/PIXTA)
働き方改革やコロナの影響でリモートワークが推奨されるようになりました。家にいる時間が長くなると、いやでも近所の人たちとの関わりが増えてきます。他住戸から「音がうるさい」とクレームを言われたら、どうしたらいいのでしょう。
企業の技術顧問も務め、音の紛争事例にも詳しい、日本大学名誉教授・一級建築士の井上勝夫氏がまとめた『マンションの「音のトラブル」を解決する本』から、トラブルになりやすい音の防止法やクレームを言われたときの対応方法を具体的に紹介します。

他の住戸からクレームがきたらどうする?

まずいちばん大切なことをお伝えします。マンションに住んでいれば、いつなんどき他の住戸からクレームを言われないとも限りません。人が生活している以上、生活音はつきものなので、誰でも音の加害者になる可能性はあるのです。

クレームがきたとき、最初にするのは音源の特定です。クレームはたいてい「お宅の音がうるさいんですけど」といったあいまいな表現でくるケースが多いでしょう。ですから最初にはっきりさせるのは、

  • ・どんな音?(「カン」とか「ボン」とか「ブーン」といった音の種類)
  •  ・いつごろ?(朝か、昼か、夜か、何時ごろか)
  •  ・どこから?(リビングか、廊下か、お風呂場か、寝室か)

などの項目について、どのように聞こえるのか、できるだけ具体的に聞いてください。具体的であればあるほど、自身の生活パターンと照らし合わせて、音源の特定がしやすくなります。クレームがきたら、「まずは相手の言い分を誠意を持って受け止める → 次に音の出どころをつきとめる」という順番になると思います。

冷蔵庫のコンプレッサーや洗濯機の稼働音などの低周波の音、ドアやふすま、カーテンの開け閉めのクレームも多いのですが、とくにやっかいなのは上階から下階に響く「床衝撃音」に対する苦情です。マンションでもっともトラブルになりやすく解決が長引くのも、この「床衝撃音」が多いのです。

私が関わっている(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談でも、いちばん多い苦情の原因は子どもの足音などの「重量床衝撃音」です。

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