米名門大飛び級の脳科学者に学ぶ集中の高め方 「一点集中」だけじゃない!意識すべき4モード
例えば、あなたはこんな経験をしたことがありませんか?
●お風呂で体を洗いながら考え事をしていたら、良いアイデアが降りてきた。でも、自分がどこを洗って、どこを洗っていないかわからなくなった(自在集中)
●スポーツをしていて、「ここだ!」と思った直後、体が自然と反応して最高の結果を出せた(俯瞰集中)
この3つのシーンのときも、脳神経科学的には集中状態にあると捉えます。真剣に仕事や勉強に打ち込み、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークを全開に資料や教材から新しい知見を学んでいくうち、解決策や良いアイデアが見えてくることがあります。
これは深い内側への集中状態の中で、デフォルトモード・ネットワークがあなたの過去の経験や記憶と新しく入ってきた知見を組み合わせ、気になっている課題について考えてくれるからです。
そこで、「あ!」となった瞬間、サリエンス・ネットワーク(※)がひらめきを察知。解決策や良いアイデアが意識され、見いだした感覚になるのです。→記銘集中
※サリエンス・ネットワークは、無意識に近い状態で、記憶や経験に準じてオートマチックに情報処理や指示出しをするデフォルトモード・ネットワークと、自発的に意識を向けたときに活発に働くセントラル・エグゼクティブ・ネットワークの切り替え役を担う(詳細は「脳の仕組みを知れば一変!集中力を鍛えるコツ」を参照)
思わぬ気づきをもたらす自在集中
また、入浴中やジムでの負荷の軽いマシントレーニング中など、同じくデフォルトモード・ネットワークで物事に対処するうち、知らぬ間にあれこれと自分の内面に目を向け、行きつ戻りつ思考をもてあそぶような感覚がやってきます。これもある種の集中状態で、自分の考えを整理したり、これまでの経験を振り返ったりする貴重な時間となり、思わぬ気づきをもたらすことがあります。→自在集中
また、複数のことを同時に処理し、脳がせわしなく働いているにもかかわらず、的確な対応ができたり、すばらしい考えが浮かんだりすることもあります。これは1つのジャンルに精通した人に起きる現象で、目の前の作業に注意を向けながらも視野を広く持ち、多くのことに集中できている状態です。優秀な給仕長がお客さんのオーダーを聞きながらも、レストランのフロア全体に意識を向けているように、豊富な経験を持つ人に備わっていく集中力です。→俯瞰集中
これに、従来の「仕事や勉強、新しい情報を取り込もうと集中する状態」(入門集中)を加えた4つが、脳神経科学の研究を通して見えてきた集中の4つのモードです。ここでは、脳神経科学から見た「4つの集中力」について解説していきます。
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