DX時代「AIを怖がる管理職」が生き残れないワケ 足りないのはAIを作る人ではなく「使える人」
これまでのAI人材教育は、どちらかというとAIを「作る」ことに重きが置かれていました。AIを作るためのプログラミングやデータ処理のノウハウなど、AIの技術分野については、書籍や教育プログラムも以前から生まれ広く提供されてきました。そうやって充実してきた教育環境のもとで、データサイエンティストやデータエンジニアといった「AIを作る人材」は、以前に比べると層が増してきたと実感しています。
また、前述したように、AIを「作る」ハードルは下がる傾向にあります。スクラッチ(ゼロから新規に作り上げること)でなくてもノーコード(プログラミングを使わない)でAIを作ることができるツールや、すでに学習が済んでいる構築済みのAIサービスが続々と生まれています。誰にでも使いやすいようにAI技術が発展していくことで、高度なプログラミング技術やデータ処理技術が場面によって、必須ではなくなってきています。
その一方で、「AIを使う人材」は、DXをはじめとしたAI活用のニーズが急拡大する中で、国内でまったく足りていない状況にあると言えます。
「AIを使う人材」の定義とは?
この「AIを使う人材」は、「ビジネスや業務知識に詳しく、かつAIにも精通した人材」と表すことができます。そして、「AIを使う人材」は「AIを作る人材」がやらないAI活用にまつわる「すべての仕事」を担います。その業務範囲は「AIを作る人材」が持つ業務範囲と比べ物にならないほど、とても広範囲にわたります。
これからDXを推進していくうえでも、この「AIを使う人材」が、まだまだ企業内で大幅に不足しています。管理職が率先して「AIを使う人材」になり、AI人材の育成や雇用のリーダーシップを発揮できると、その企業におけるDXも加速することでしょう。
そして、「AIを作る人材」に比べるとその歩みは遅いものの、「AIを使う人材」を高等学校や大学の課程で育成する取り組みが、日本でもスタートしようとしています。
5年もすれば、そのAI教育を学校で十分に受けた次の世代があなたの会社に入り、そしてあなたの部下になるかもしれません。ジョブ型雇用や組織のフラット化が進む職場において、あなたの上司になる可能性も、決してない話ではないのです。
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