トップ直撃!春秋航空「日本進出計画」の全容 "黒船LCC"に勝算はあるか

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広島路線はLCCの就航例がまだない。それでも、中国地方で最も大きな都市であり、首都圏(成田)と結ぶ路線が張られれば、一定の需要が掘り起こせるという想定のようだ。機内でのドリンクについては、100円で佐賀産のお茶が飲み放題になるなど、就航地の地域性を前面に出す機内販売を目指す。

王煒会長は搭乗率8割を目標に掲げる

そんな同社が掲げる搭乗率の目標は「8割はいかなければならないと思っている」(王煒会長)。

LCCは回転重視のビジネスモデルで、高い搭乗率を確保しなければ採算は確保できない。2012年3月に運航を開始したピーチは、今年6月に発表した2014年3月期決算で売上高305億円(前期比2.1倍)、営業利益20億円(前期は9.6億円の営業赤字)と、初の黒字化にこぎつけたが、これは平均して8割以上の搭乗率を保てたからこそ。

旧エアアジア・ジャパンから社名を変更し、2013年末に再出発したバニラエアを例に挙げると、直近のゴールデンウイーク期間中の搭乗率は約7割。2012年から就航するジェットスター・ジャパンでさえ約75%、繁忙期でも8割に達していないことを考えれば、搭乗率8割は相当に高いハードルとなる。

中国本社との連携も視野

黒船LCCならではのハードルもある。中国籍の企業を敬遠する日本人も少ない、という点だ。

「まさにそう思っている。中国に対する日本人のイメージは悪い。何かあったら、『やっぱり』と言われてしまう。よって、品質や安全性の面では、他社よりも厳しく取り組まなければならない。そのためにコストがかかっても仕方がないと考えている。

春秋航空本体の便を使って中国から渡航してきた乗客の乗り継ぎ需要も獲得できると見込んでいる。中国の沿岸地域では、日本や韓国への渡航に慣れた人が多いが、内陸に住む中国人の訪日需要はまだまだ少ない。そういったお客を日本に運ぶニーズは今後出てくる。

春秋航空は本体が関西国際空港から中国の武漢、重慶、天津に路線を張っている。成田からも同様の路線を張り、関西に入って、成田から出るといった流れができればと思っている」

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