渡邉光一郎・第一生命社長--株式会社化はゴールでなくスタート、海外でも欧米系生保との差別化は可能


 保障分野だけでなく、第三分野といわれている医療・介護保険も、実はマーケット創造をしていくゾーンだと思っています。それから年金・貯蓄マーケットがあります。現在28兆円の規模と今見ていますが、10年後には50兆円規模になると予想している。マーケットの拡大に合わせて、リスク管理を徹底し、コントロールしながらやれば、日本国内の成長マーケットにできるはずだと思っています。

--2012年以降にグローバルな生保と伍していくことを目標に掲げていますが、具体的には、どういう段階を経て、実現していくイメージでしょうか。

欧米生保が株式会社化をした後にたどった道をベンチマークしながら、われわれの戦略を着実に踏んでいきたいと思っています。

15年前に欧州系生保が株式会社化し、10年以上前に米国系生保もそれに続いた。彼らはそこから国内においての生産性向上、効率性向上、それから海外展開を段階的にやってきている。その間、日本は「失われた10年」、あるいは「15年」になってしまったが、手足を縛られた状態で身動きがとれなかった。リーマンショック以前の段階では、もう背中も見えない、というぐらいの差がついてしまっていた。世界のベストテンはすべて株式会社、持株会社形態の会社が席巻しているという状態になっています。

ただ、リーマンショック後は、前ほどの差はない。差はついているが、背中が見えるようなポジションです。したがって、このタイミングでわれわれが着実に国内の足固め、基盤の整備、それから手段としての株式会社化、持株会社化というものを整備しながら次のステップを踏んでいけば、欧米大手と伍していくだけのチャンスなり、再編のチャンスというものは必ず訪れると思います。

成長戦略だけの話ではありません。将来的な危機への対応力、経営の柔軟性、そういった面も含めて、やはりあらゆる可能性をみながら準備をしていく必要がある。われわれは過去には生保危機を経験し、そしてリーマンショックでも、大きな厳しい環境変化を経験してきた。われわれの意図に反する環境変化がいつ起こるのか、いつ潮目が変わるのか、予知することはできないが、その環境変化に対して何をすべきか、つまり経営の柔軟性が持てるのか、という視点も非常に重要です。
 
 株式会社化は大事業でしたが、ゴールだ、達成だというような雰囲気ではなく、「新創業」という言い方をしています。これがスタートだと。

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