渡邉光一郎・第一生命社長--株式会社化はゴールでなくスタート、海外でも欧米系生保との差別化は可能


■時価総額は通信簿のようなもの、努力のしがいはある

--3月に英プルデンシャルがAIG傘下のAIA(アメリカン・インターナショナル・アシュアランス)を買収した金額は約3兆2000億円、米メットライフがアリコを買収した金額は約1兆4000億円。第一生命は初値16万円で計算すると、時価総額は約1兆6000億円です。国際的には、M&Aのスピード、規模も加速、大型化しています。M&Aをするだけでなく、逆にM&Aされる可能性も否定できないと思いますが、その対策はいかがでしょうか。あるいはその意味も含め、積極的に資本提携や再々編も仕掛けていくべきではないかと……。

資本政策は、あらゆる可能性を見ながら、あらゆるリスクを考慮しながら今後考えていく必要があるとおもっています。当然、資本調達の多様性なども考慮して、投資家のご理解を得られる範囲で展開していくということだと思います。

今の企業価値をどう見るのか、という点ですが、われわれの立場としては、大手生保として相互会社であったことのハンディがある。要するに、今までは対話不足だった。ここで重要なことは、もっと対話をしっかりしていくことですだと思います。私は、われわれが理解され、浸透していく中で、もっと企業価値を高めうる要素はあると思う。時価総額というのは、通信簿をもらうようなものです。努力のしがいというものはあると思いますね。

一般の会社が上場するのと、相互会社の株式会社化では、全く違います。一般の上場企業ですと、未上場のときの少ない株主から、どう株主を増やしていくかという発想のもとにIPO(新規上場)をやる。ところが、われわれの場合は実はまったく発想が逆で、800万名のお客様のうち、9割の方に何らかの分配をし、306万名の方に1株以上を割り当てているわけです。

もう1つは、今回、例外措置として、安定株主の位置付けを明確にしていただいているということです。今回、それが持ち合い構造をつくるためとか、買収防衛のためとか報道もされましたが、われわれの発想はそうではなく、この株式会社化のプロセスをどう円滑に運営していくかという視点に立ったものです。安定的な株主をつくりながら、基本は株主の理解を得ながら、優良な投資家との関係構築をして安定的な経営につなげていく、ということが必須要件だと思います。

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