自分の要求を100%通す人の「最強テクニック」 交渉では「自分から条件提示」してはいけない

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では、条件は、どちらから提示するのがよいのでしょうか。相手に先手を取られては困る、と気がはやるかもしれませんが、交渉では、相手に最初にオファー(条件提示)をさせるのが鉄則です。あなたからオファーをしてはいけないのです。

これはなぜでしょう。

自分の希望よりもいい条件でまとまる可能性も

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あなたから最初にオファーした場合、そのオファーが、相手の期待以上に、相手にとって有利なものかもしれないからです。その場合、あなたが本来得られるはずだったものを失うことになります。それゆえに、まず相手にオファーさせるべきなのです。

一方、相手が最初にオファーした場合、そのオファーが、あなたが最初にしようと思っていたオファーよりも、あなたにとって有利なものかもしれないのです。

例えば、あなたが賃貸アパートを借りる場面を想像してください。広告には、家賃月15万円と出ています。しかし借り手市場ですから、交渉すれば家賃は下がるはずです。自分なりに調べてみたら、相場では月13万円くらいのようです。そんなとき、どのように交渉を始めればよいのでしょうか。

あなた「13万円なら借ります」(少しずうずうしすぎるかなと思いながら)

大家「13万円で貸しましょう。契約成立です」(あっさりと)

あなた「……(絶句)」(あれ? それならもっと低い金額でオファーをするんだった……)

あっという間に契約が成立しました。そして入居してみたら、同じアパートの住人は、皆11万円前後しか払っていないことがわかりました。きっと大家は「交渉次第で11万円くらいまで下げざるをえないだろうな」と思っていたはずです。

自分で先にオファーすると、こういうことになりかねません。では、相手に先にオファーさせていれば、どうなっていたのでしょうか。

あなた「広告には15万円とありましたね。本音では、いくらで貸してくれるのですか。その金額を教えてください」

大家「月12万円なら貸します」

あなた(おっと、13万円は覚悟していたのに。先に13万円で、と言わなくてよかった。これはもう一押しいけるな)「月10万円でお願いできませんか」

大家「では、あいだをとって11万円にしましょう」

あなた「11万円でオーケーです!」

こんなふうにまとまる可能性が高いのです。

交渉の場では、このように相手に先にオファーさせましょう。そうすれば交渉を自分にとってベストの条件でまとめることができるはずです。

大橋 弘昌 米国ニューヨーク州弁護士

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おおはし ひろまさ / Hiromasa Ohashi

日本国外国法事務弁護士。1966年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、サザンメソジスト大学法科大学院卒業。西武百貨店商事管理部、山一證券国際企画部を経て渡米し、ニューヨーク州弁護士資格を取得。米国の大手法律事務所ヘインズ・アンド・ブーン法律事務所で5年間のプラクティス後、2002年に大橋&ホーン法律事務所を設立。現在、ニューヨーク、ダラス、東京の3都市に事務所を構え、日本企業の在米現地法人を中心に100社以上のクライアントを持つ。会社法、M&A、雇用労働法、訴訟法、税法などに精通。

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