トヨタの凄腕ドライバーに運転を教わってみた モビリタの「走行データ計測プログラム」を体験

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横軸の右端、速度/アクセルペダルを見てほしい。終盤、凄腕インストラクターはアクセルペダルを100%(全開)にしているが、筆者は30%程度。よって、横軸の左端に示されている最高速度は凄腕インストラクターの84㎞/hに対して筆者は60㎞/h程度にとどまる。

速度が乗っていないので、当然、その後のブレーキペダルも踏み込みが弱く減速度も0.2程度。ちなみに、このときの凄腕インストラクターは筆者の2倍以上強く踏み込み、減速度は約0.6。

以上のG-Gダイアグラムや走行データから筆者は、スムーズなステアリングとペダル操作ができているが、減速方向に対してはタイヤの限界性能に至っていないと凄腕インストラクターから評価されたのだ。

限界領域までは安全な強いブレーキが可能

コースに不慣れで速度が乗っていないことが原因だが、減速度が弱めであるためタイヤはもっと仕事をすることができる。言い換えれば、その限界領域までは安全な強いブレーキが掛けられるということだ。

トヨタはモビリタでの走行データ計測プログラムの狙いを次のように話す。

「減少傾向にあるが、まだまだ多い交通事故による死傷者数をゼロに近づけていく取り組みをこの先も継続します。また、クルマ(安全技術開発)だけではなく、人啓発の分野でも地道に取り組んでおり、その1つとして走行データ計測プログラムを開発しました。クルマの特性を理解した『走り』を、広く普及させ、Safety(安全・事故ゼロ)+Fun(快適・走りの楽しさ)+Eco(省エネ・CN)につなげていきたいです」

今回、自分の運転操作を振り返るいい機会となった。筆者は人一倍臆病なので、今回のようにクローズドエリアのコースでも安全マージンを残し、控えめな速度で走ってしまった。

しかし、モビリタは「危険を安全に体感できる場」であることから、普段の運転操作から外れ、タイヤや自分の技量の限界点を探るための走行にチャレンジしてもよかったな、と反省。いずれにしろ、得られた指導内容を日頃の安全な運転操作に生かすつもりだ。

なお、この先トヨタでは、時期は未定ながら、このモビリタを使って衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を体感できる講習プログラムを検討していくという。新たなプログラムが誕生したら、再度、自身の運転操作を見直す機会にしたい。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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