初心者でも予習は不要!「江戸落語」の楽しみ方 寄席は「晴れた休日の昼間」がオススメなワケ
第11回となる今回は、伝統芸能のひとつとして日本に笑いの文化を培ってきた、落語の世界へ。導いてくださるのは、九代林家正蔵師匠です。若い頃からバラエティ番組などでも活躍する一方、落語家としては1987年に24歳で真打に昇進。2005年に九代林家正蔵を襲名されました。
祖父の七代目林家正蔵、実父の初代林家三平と、親子三代の真打は史上初なのだそう。そんな一家相伝の噺家である正蔵師匠が、落語の魅力をたっぷり届けてくれました。この殺伐とした現代に、笑いとおおらかさを届けてくれる落語の世界へようこそ!
勉強なんてしちゃいけません!
田中 「こちらの『ねぎし三平堂』は、正蔵師匠のお父様で昭和の爆笑王と呼ばれた初代林家三平師匠の記念館なんですよね。正蔵師匠、本日はよろしくお願いいたします!」
正蔵 「どうぞ、よろしくお願いします」
石井 「早速ですが、僕を含めて落語は知っていても、実際には見たことがないという読者もいると思うのですが……」
正蔵 「まずね、クラシック音楽みたいに、どっかで予習する必要ありませんよ。初めてだからってYoutubeなんかで、調べないでくださいね!」
石井 「ワハハ! 僕、さっそく見てきちゃいました!」
田中 「だろうね~(笑)」
石井 「そもそもの話になるのですが。日本には、“お笑い”という文化が長く根付いてきましたが、落語とその他のお笑い芸はどう違うのでしょうか?」
正蔵 「落語はお客様に笑っていただく滑稽噺が基本です。そういう意味で、現代の漫才やコントなどのお笑いとも基本の部分は共通していると思います。ただ、落語はその内容の幅が広くて、笑わせるだけでなく、夫婦や親子の情愛を語って時には泣かせるような人情話などもあります」
石井 「泣き笑いみたいなことも含めての落語なんですね」