中国で「電動バイク」のスマート化が加速する訳

シェア自転車企業が車両製造に本格的に参入

ハローバイクはスマート電動バイクの製造に本格参入する(写真は同社ウェブサイトより)

中国の代表的なシェア自転車のプラットフォームである「哈囉出行(ハローバイク)」は4月7日、スマート電動バイクの新製品を3台発表した。発表会場では、同社が電動バイクの製造に本格的に参入することもあきらかにした。

今回の新規参入について、同社の共同創業者兼総裁(社長に相当)の李開逐氏は「シェア自転車ビジネスの中で、電動バイクこそが中国の一般庶民にとって最もなじみやすい交通手段であることに気がついた」と語った。

スマート電動バイクを製造するためには、バイクに搭載されたソフトを動かすためのOS(オペレーションシステム)が必要だ。前出の新製品発表会では、同社のスマート電動バイクに搭載されるOSの「VVSMART」も披露された。これはEVに搭載されているOSと似た構造で、ユーザーがスマホのアプリとスマート電動バイクをひも付ければ、アプリ上でVVSMARTを操作することができる。

さらにスマホをバイクのハンドル上のスロットにはめ込めば、バイクが解錠され、アプリを自動で起動することも可能だ。アプリの画面には、EV(電気自動車)のダッシュボードのように、走行速度、バッテリー残量、走行可能距離、出力電力などのデータが映し出されるほか、走行ナビ、音声対話、バッテリー管理、車両状況チェック、オンライン上でのメンテナンス申請などの機能も備わっている。

スマート化はまだ5%にも満たない

従来型の電動バイクは技術面での障壁が低く、新規参入企業も多かった。そのため製品も同質化し、企業間の競争も激化。とくに、バッテリーやモーター、フレームなどのハード部分で、雅迪集団(ヤディア・グループ)、愛瑪科技集団(アイマ)、江蘇新日電動車などの業界大手は競ってきた。

本記事は「財新」の提供記事です

ただしハローバイクの分析によれば、ソフト面は企業間で競うレベルにまで達しておらず、多くの電動バイクにはOSの基本的な機能が搭載されていないという。そのためネットを経由してアプリ上で操作が可能なスマート電動バイクの製造までにはほぼ至っていない。

いまや電動バイクの保有台数は3億台を超え、世界最大の電動バイク市場となっている中国だが、スマート電動バイクは全体の5%にも満たないのだ。ハローバイクは、VVSMARTを自社だけではなく、同業他社に対しても開放していくという。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は4月7日

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