転職理由は「会社の先行きが不安」が最多、景気は回復傾向だが…
株価をはじめとして、景気回復を示す経済指標が増加しつつあるが、会社の先行きに不安を感じて転職を考える人が増加し続けている。
キャリアアップ狙いも増加
総合人材サービスのインテリジェンスが運営する転職サービスDODAが、転職希望者の「転職理由」について調査した「転職理由ランキング2010年版」を発表した。
調査によると、転職理由は「会社の将来性が不安」(14.7%)が2年連続で最多。次いで、「他にやりたい仕事がある」(10.6%)、「倒産、リストラ、契約期間の満了」(7.6%)と続く。
様々な経済指標で景気回復の兆しが見え始めているが、会社や事業の先行きに不安を感じて転職を考える人は増加し続けていることがわかる。3位となった「倒産、リストラ、契約期間の満了」も、1年前の6.2%から更に増加する厳しい結果となった。
一方で、「市場価値を上げたい」という前向きな転職理由も増えており、景気の好転を見据え、積極的にキャリアアップを目指す動きも出始めている。
若年層にも不安感広がる
年代別では、すべての年代で「会社の将来性が不安」が最多となり、20代で12.6%、30代で17.4%、40代で18.1%と、高年齢になるほど数値が上昇している。
20代は昨年調査で唯一、「他にやりたい仕事がある」が「会社の将来性が不安」を上回っていたが、今回調査ではその順位が逆転。若年層にも将来への不安感が広がっていることが明らかになった。
DODAキャリアコンサルタント大浦征也氏は、「2010年に入り、失業率の改善や求人数の増加といった動きも見られ、そろそろ雇用情勢も好転することが期待されている。しかし、今回の結果は、会社の将来性への不安、倒産・リストラといった転職理由が上位に入る厳しい結果となった。しかし、雇用の回復は景気回復よりも遅れる傾向があるので、今後、こうした状況も改善に向かうと考えられる」とコメントしている。
(東洋経済HRオンライン編集部:田宮寛之)
調査概要
■調査期間
2009年10月1日~2010年2月28日
(前年調査:2008年10月1日~2009年1月31日)
■調査方法
DODA転職支援サービス登録者の登録データを集計
■対象者数
2万2052人
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら