イタリア「100歳以上」が多い島の食事健康法 「ポリフェノール」が豊富に含まれる食品がカギ

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サルデーニャ島の百寿者も日々ポリフェノールを摂取しており、たとえばタンザニアのハッザ族が食べるコンゴロビやバオバブといった果物に含まれるポリフェノールの量は、先進国で消費されるベリー類に比べてなんと20倍にもなります。

サルデーニャ島の高齢者もブラックベリーやミルト酒(ミルトとは、サルデーニャの森に自生する古代からのハーブの1種)をたしなむことで、ポリフェノールの1種であるヒドロキシチロソールなどを大量に摂取しています。ポリフェノールの増量は、アンチエイジング食の第一歩と言えるでしょう。

ポリフェノールが最も豊富な食品は?

ポリフェノールが豊富な食品については、2010年のオーヴェルニュ大学論文が調査を行っています。過去に出た数千以上の調査からポリフェノールが豊富な野菜や果物を100種に絞り込んだもので、上位にランクインした食品は表のとおりです。ポリフェノールを増やす際の参考にしてください。

ポリフェノールを多く含む食品は?

基本的に最も量が多いのはスパイスやハーブ類ですが、いつもの料理で大量にバジルやターメリックを使うのは難しいかもしれません。カロリーとのバランスで言えば、ベリー類、コーヒー、緑茶などでポリフェノールの総量を上げながら、トマトやビーツといった赤紫色の野菜を増やすのが現実的でしょう。

さて、ここで難しいのが「1日にどれだけのポリフェノールを取るべきか?」という問題です。ポリフェノール研究はまだ日が浅く、明確な摂取量のガイドラインが存在しません。いまのところは、観察研究などから最適量を推測していくしかないでしょう。

現時点で最も参考になるのは、エディスコーワン大学が5万6048人を23年ほど追いかけた2019年の調査です。その結論は次のようものでした。

・ポリフェノールを取るとがんや心疾患による死亡リスクが10~20%の範囲で低下する
・ポリフェノールの摂取量は1日500㎎前後で最大化する

「1日500㎎のポリフェノール」は、ブルーベリー100〜150g、緑茶1杯、リンゴ1個、オレンジ1個に相当します。これぐらいの量なら簡単に達成できるでしょう。毎日の暮らしで積極的に取り入れてみてください。

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