コロナ以降も「仕事で淘汰されない人」の3条件 ツールと情熱をもった「個人」が生き残る
「ビジネス」「働き方」の二極化は、新しい形のエリート層(ニュー・エリート)を生み出すことになると私は見ています。この「ニュー・エリート」の特徴を挙げてみましょう。
共通するのは、以下の点です。
・非同期なコミュニケーション能力が高い
・コアタイムやZoomミーティングなど、時間に束縛されることを極端に嫌う
・会社との関係は対等もしくはそれ以上
・「やる価値がある」仕事だけを選んで働く
・オフィスには出勤せず、リゾート地などからリモートで働く
・時間には束縛されず、仕事の成果のみで勝負する
・自分なりのライフスタイルを持っている
職種はおもにソフトウェアエンジニア、AIサイエンティスト、ゲームクリエーター、デザイナー、データアナリストなど、リモートでできる仕事に限られたものになりますが、21世紀の第2四半期(2025~2050年)に起こる、社会全体のDX(デジタル・トランスフォーメーション)において、大きな役割を果たします。
生産効率の高さで圧倒的な力を持つ
とくに重要なのが、彼らの生産効率の高さです。その生産効率は、他の人たちと比べて、数倍から数十倍に至るうえに、作るものの質も高いため、人材市場で圧倒的な力を持つことになり、その結果として、上記のような「わがままな働き方」が許されるようになるのです。
特にソフトウェアエンジニアリングの世界はもともと、生産性の高い人とそうでない人の間に大きな差が出るのですが、そこにオンラインツールの使いこなし方や、コミュニケーション能力の差が加わると、その差は圧倒的なものになります。
ITゼネコンが(仕様書だけ書いて実装は下請けに丸投げして)100人月かけて作るものを、1人の優秀なエンジニアが3カ月で作ってしまう――今は、そんな時代なのです。
ちなみに、こんな働き方が可能になると、外国人に働いてもらうための就労ビザが不要になる点が、ソフトウェア業界にとっては、大きな意味があります。
アメリカのソフトウェア市場は、優秀な外国人をH-1Bビザ(特殊技能職ビザ)で招き入れることにより成長してきましたが、移民の受け入れは、常に「アメリカ人から職を奪う」と批判の対象になっていた上、特にトランプ政権が誕生して以来は、政治的に微妙な問題でした。
しかし、リモートワークが機能するのであれば、移住などせずに国をまたいで雇用関係を持てばよいため、就労ビザが不要になります。つまり、中国人には中国で暮らしたまま、インド人にはインドで暮らしたまま、シリコンバレーの会社で、リモートで働いてもらえばよいのです。
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