「水卜アナ」理想の上司に選ばれる好感度の秘訣 ZIP!総合司会抜擢、ありのままをさらけ出すすごみ

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最近、組織マネジメントにおいて注目を集める「1on1」といった1対1の面談でも、上司の自己開示がスムーズな対話につながるとされていますし、読者のなかには「日々、自分から率先して自己開示している」という人も少なくないかもしれません。

しかしながら、実は、リーダーがきちんと自己開示できているかというと、やや疑問符が付きます。本人は自己開示しているつもりでも、自分をよく見せることを目的とした “自分語り”になってしまっていることがしばしば見受けられるからです。

たとえば、ある人が「ある有名大学に入ったものの、周りが優秀すぎて友達ができなかった」というエピソードを披露したとしましょう。「大学になじめなかった」という失敗談を打ち明けているようで、実はこれ、「有名大学出身である」というアピールにも聞こえますよね。

このように“相手からの褒め言葉や承認欲求の充足を主な目的”としたコミュニケーションは、自己開示ではなく、「自己提示」と呼ばれる行為です。上位管理者であるという立場から、部下から尊敬を勝ち取りたいとか評価されたいといった心理が働くのも理解はできますが、それだと「自慢している」「虚勢を張っている」と解釈されてしまうことも多々あります。

自己開示の達人として、私が水卜アナを取り上げたのはココです。私は彼女から必要以上によく見られたいという邪心をまったく感じません。彼女が組織マネジメントの観点から戦略的に自己開示しているかどうかはさておき、特筆したいのは、彼女の“ありのままに正直な”自分をさらけ出すコミュニケーションスタイルです。

正直に話す自己開示の3ポイント

“ありのままに正直に”話す自己開示のポイントは、次の3つと言われています。

① 仕事と無関係の話を仕掛ける
② 返答にプライベートな要素を混ぜる
③ ときには部下に弱みを見せる

もっと砕けた表現だと、「趣味」であるとか「笑える失敗談」とか「自信のないところ」とか。そういったちょっとした自己開示から始めていけばよいとされています。しかし職場という名の戦場で、日々「鎧」を着て戦ってきたビジネスパーソンには、そのちょっとしたことが、意外と難しいのかもしれません。

平賀 充記 ツナグ働き方研究所 所長

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ひらが あつのり / Atsunori Hiraga

人材開発コンサルタント/組織コミュニケーション研究家/若者キャリア研究家。1963年長崎県生まれ。同志社大学卒業。1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。主要求人媒体の全国統括編集長を経て、2012年リクルートジョブズのメディアプロデュース統括部門担当執行役員に就任。2014年ツナグ・ソリューションズ取締役。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。著書に『非正規って言うな!』(クロスメディア・マーケティング)『神採用メソッド』(かんき出版)『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。
ツナグ働き方研究所オフィシャルサイト「ツナケン!」:https://tsuna-ken.com/

 

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