「老ける」ストレスと「若返る」ストレスの差とは 「金銭的なストレス」が最も老けるという研究も

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心身の若さと精神的な苦痛の相関は、スーパーエイジャー研究でも明らかです。スーパーエイジャーとは、若い人と同じレベルの脳と肉体を持ち続ける高齢者のことで、80代にもかかわらず中高年よりも脳が大きかったり、90代になっても見た目が実年齢より20歳は若かったりと、驚くような事例が過去にいくつも報告されています。

ノースイースタン大学のリサ・フェルドマン・バレットがスーパーエイジャーの脳とライフスタイルを調べた研究では、彼らの脳は大脳皮質だけでなく前帯状皮質や島皮質も発達していることがわかりました。

これらのエリアは脳内で情報のやり取りを行うメインターミナルとして働くのですが、面白いことに活動量が増すごとに「疲労」「挫折感」「イライラ」といったネガティブな気分を発生させる特徴があります。すなわち多くのスーパーエイジャーは、日常的になんらかの難しい活動に打ち込み、不愉快さを味わいつつ脳を成長させていたわけです。

彼らが体験する「不快」の内容はさまざまで、ある者は新たなスポーツを始め、またある者は80歳から語学学習に手をつけ、なかには90歳でキリマンジャロの登頂を目指す者も存在しました。

このデータをふまえて、バレットは、スーパーエイジャーのように若い心身を保つには「定期的に痛みを味わうしかない」と断言しています。

正しいストレス解消法で「回復」を

メンタルに快いストレスを与えた後は、上手な休憩によって「回復」させるフェーズが大切です。

ですが、アメリカ心理学会(APA)は、公式声明のなかで「現代人は間違ったストレス解消法を使っていることが多い」との見解を発表しています。多くの人はストレス解消のために不健康な手段を選び、正しく休めていないというのです。

ソファで寝転ぶ、お菓子を食べる、タバコを吸う……。

どれも一般的な休憩法ですが、アメリカ心理学会は、これらの行動を推奨していません。

完全に無意味だとは言わないものの、休憩法としては限定的な効果しか得られないからです。

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