東大研究者が発見した「老化細胞」除去薬の衝撃 100歳まで健康に生きることが「自然」な時代へ
老化の原因「老化細胞」除去とは
――老齢のマウスの「老化細胞」を特異的に死滅させる薬剤を発見されましたが、この「老化細胞」の除去とはどういったことでしょうか。
「老化細胞」とは、ストレスによってダメージを受けるなどして、増殖できなくなってしまった細胞のことです。
60年ほど前、アメリカのヘイフリック博士が、正常なヒトの細胞を試験管の中で培養していくと、一定の分裂回数のうちに増殖を停止して、二度と増殖できなくなるステージに入ることを発見しました。この状態になってしまった細胞を「老化細胞」といいます。
細胞は、つねにさまざまなストレスにさらされており、ストレス過多になった場合、遺伝子に傷が入ったり、タンパク質がダメージを受けるなどします。軽微なダメージなら、細胞は修復して生き続けることができますが、修復不可能な損傷の場合、細胞そのものを殺すか、細胞の老化を誘導し、異常な細胞を蓄積させない仕組みが働きます。その結果、細胞は増殖することができない老化細胞となってしまいます。
そして、この老化細胞が、臓器組織の機能低下や老年病などの発症を誘発するというのが最も基本的な「老化のメカニズム」の1つです。
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