「ベンツ」を射止めたルノー・日産の腹案、実利を優先した現実的提携の正否
トヨタは「プリウスを充電型に改造するキットが米国で1万ドルで売られていることも考えて価格設定したい」(内山田竹志・トヨタ副社長)としている。
現行のプリウスが230万円前後だから、300万円を切ってくる線が濃厚で、「これに補助金が付けば200万円台前半。EVと同じ充電式のエコカーとして、抜群の競争力を持った車になる」と、あるアナリストは指摘する。
日産リーフの価格は現状376万円(補助金77万円繰り入れ後299万円)。「プラグインプリウスが登場するまでにコストを相当落とさないと、日産は一挙にトヨタにやられる可能性がある」(同アナリスト)。
ダイムラーは過去、実にさまざまな相手先からバッテリーを調達してきた。
開発中のスマートEV向けには米テスラ・モーターから、ベンツのハイブリッド車には米ジョンソンコントロールと仏サフトの合弁会社や米コバシスから。独化学エネルギー大手エボニックと電池合弁会社までも設立している。
ダイムラーの厳しい選択眼に、ルノー日産製品はかなうのか。3・1%という小規模な株式持ち合いでは、やや心もとない。ルノー日産は提携内容の明文化を急ぐ必要があるだろう。
ゴーン氏は提携会見の席で、「今後われわれが規模を拡大し続けても、驚かないでほしい」と宣言した。
「EV、バッテリー、ハイブリッド車、ディーゼル車、ガソリン車すべて開発しなくてはならない。一方で、すべての新興国に進出しなくてはならず、超低価格車からファミリーセダン、4駆まですべてそろえておかなくてはならない。中小規模のメーカーではすべてには対応できない。投資を分担し、知識やノウハウを分担したいなら、手を組むほかの選択肢はない」。
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