「ベンツ」を射止めたルノー・日産の腹案、実利を優先した現実的提携の正否

加えて日産の電気自動車(EV)「リーフ」の発売は12月に迫っている。EVのCO2出量はむろんゼロ。日産からOEM(相手先生産)供給を受ければ、平均CO2排出量が“薄まり”、ダイムラーは悲願の130グラム超えへ一歩近づく。

ルノー日産にとっても、この提携話は渡りに船だったに違いない。

4月7日の合意内容にEVのOEM供給は盛り込まれなかったが、ゴーン氏は本誌に「最終的には契約の中に入るだろう。まだ確定していないというだけのことだ」と答えた。

Vプラも同様だ。13年までにあと2モデルを追加し、世界で100万台売るつもりだが、ダイムラーへOEMできれば計画は上方修正され、1・5リットル以下の小型エンジンで量産効果を得られる可能性がある。

さらに「ダイムラーが開発中の2リットルクラスガソリンターボエンジンや高性能ディーゼルエンジンの供給を受ければ、ルノー日産側でも燃費の改善が可能となる」(CSMワールドワイドジャパンの波多野通氏)。

中でもゴーン氏が期待しているのは、車載バッテリーだろう。ルノー日産は12年までに日米英仏にポルトガルを加えた5カ国で約50万基分のバッテリーを生産する。自社ブランド車に加え、ダイムラーという仕向先を確保できれば、高額投資の回収確実性は高まる。

忍び寄るトヨタの影 ルノー日産にも焦り

ゴーン氏の背後からは、トヨタ自動車がひたひたと近づいてもいた。正確にはトヨタが開発中のプラグイン(充電式)ハイブリッド車だ。

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