「コロナ禍で転職に成功する40、50代」の共通点 ミドル世代の求人増加も求める人材要件に変化
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う二度目の緊急事態宣言が発令されて約3カ月。30年ぶりに3万円台を回復し、株式相場が活況となる一方、実体経済は依然厳しい状況が続く。多くの業種で希望退職や早期退職の実施が相次いでいる。対象の多くが40~50代のミドル世代である。
ここ数年ミドル世代の転職市場は拡大基調であったが、今回のコロナ禍によって、どのような変化があったのかを見てみる。
40~50歳代の求人は増えているが…
まず2020年の転職市場の動向を見ていこう。ミドル世代向け転職サイト「ミドルの転職」に掲載されている求人数は、2019年比で116%と増加傾向にあった。一方で、当社における若手未経験層向けの求人数は、2019年比87%と、減少している。
コロナ禍でも、ミドル世代向けの求人は若手未経験層に比べて豊富にあるようにみえる。その理由はいくつか考えられるが、最大の要因は企業の採用目的の違いであろう。
基本的に、企業の中途社員の採用目的は「増員」か「欠員補充」のいずれかである。景気拡大の局面においては事業成長に向けて各社が積極的な人員の増強を図るため、自ずと増員目的の採用が増える傾向にある。経験者だけでは追い付かないため、若手未経験層も積極的に採用するケースが増えていく。
一方で、今回のコロナ禍のような状況のときや、景気の停滞・後退局面においては、増員目的の採用は手控える傾向にある。しかし、事業継続や組織運営のために、必要最低限の人員を確保する必要がある。その際は、自ずと即戦力を求めることが多いため、経験豊富なミドル世代の求人はそれほど落ち込まないのだ。
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