「コロナ禍で転職に成功する40、50代」の共通点 ミドル世代の求人増加も求める人材要件に変化

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ただ、「求人数自体が増加と聞いて安心」とまではいかない。注目すべきは実際に転職した人数がどうだったかということだ。一般社団法人日本人材紹介事業協会が発表した「人材紹介大手3社転職紹介実績の集計結果」(人材紹介大手3社はJACリクルートメント、パーソルキャリア、リクルートキャリアが対象)の年齢別成約件数を見ると、36歳~40歳の2020年上期(4~9月)の転職決定数は前年同期比で84%と減少。41歳以上も同92%の水準にとどまっている。

求人数は伸びているが、実際の転職につながるケースは逆に減っているのだ。その背景にあるのは、コロナにより事業環境が一変し、大きく変革が求められる企業にとって必要な人材の定義が変わってきているという点だ。

では、コロナ禍におけるミドル世代の転職において、何が採用決定の重要なファクターになっているのかをみる。

withコロナ時代に転職できる人はこんな人

「ミドルの転職」を利用している転職コンサルタント167人に、「コロナ禍で転職できるミドル/できないミドル」について尋ねた。まず63%の転職コンサルタントが、コロナ前後を比較して「転職できる人の能力や特徴に変化あり」と答えている。

かねてより、ミドル世代に求められていたのは「高いレベルでの業務遂行能力」「専門職種の知識・経験」である。今回の調査においても、この点は上位を占めている。

転職コンサルタントからは、「リモート化が進み、個人の独立性とその環境下での業務遂行能力が求められるようになった」「コロナ禍において、未経験の採用を縮小する傾向から、より業界の知見、専門性を求める傾向が強くなった」といったコメントが寄せられている。企業側の目線がより高くなっていることが見てとれる。われわれの転職支援の現場でも「以前であれば採用をしていたかもしれないが、より慎重に検討したいので見送る」といった企業の声を耳にすることが増えている。

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