V6解散が青天の霹靂でなく「必然」でしかない訳 過渡期のジャニーズ事務所に何をもたらすのか

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さらにファンたちを「解散もやむなし」「むしろ今までありがとう」という気持ちにさせたのが、「今もなお、メンバー同士、冗談を言い合える日々が続いていることに感謝し、残された時間を大切なファンの皆さんとどう過ごしていけるのか、日々話し合っていきたいと思います。僕たちの気持ちは一つです」というフレーズ。解散するのに冗談を言い合える、「僕たちの気持ちは一つ」と言い切れる、彼らの関係性をはっきりさせたことがポジティブな印象を決定づけました。

SMAPが解散したほか、少年隊とTOKIOも事実上の解散状態。関ジャニ∞、NEWS、KAT-TUNの人数も減り、そのたびにネガティブな記事が飛び交っていましたが、V6の解散はそんな重苦しい流れを変えるポジティブなものになりそうなのです。

解散も人数減も復活もぜんぶアリ

V6の解散がポジティブなものになりそうな最大の理由は、「新たなスタンダードを作り、他グループの選択肢を増やすことになる」から。

個人の意思が尊重される現在の世の中で、「解散は悪」「あいつのせいだ」などとネガティブなムードになる風潮は時代錯誤。どんなに人気のあるグループでも「解散は悪いことではなく、個々人の意志を尊重する」のがスタンダードであり、人生の選択肢を与え合うべき時代なのです。

一方で、結成時8人から現在5人の関ジャニ∞、結成時9人から現在3人のNEWS、結成時6人から現在3人のKAT-TUNのように、人数が減りながら活動を続けていく形もアリ。いくつかの選択肢があり、話し合いのうえで選ぶことで、本人、事務所、ファンの3者が納得できる形につながっていくでしょう。

さらに言えば、もし解散を選んでも、バンドなどでよくあるように「やっぱりもう一度やろう」と復活することも、スタンダードの1つにして選択肢に含めるのもアリ。それくらい気楽なスタンスのほうが本人たちは思い切った決断を下しやすく、ファンも受け入れやすいものです。例えば、「解散後の復活もアリ」という気楽なスタンスが浸透し、他グループの再結成につながれば、喜ぶ人は多いのではないでしょうか。

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