便秘で悩む人に知ってほしい「米ぬか」の効果 日本人が古くから親しんできた食材の取り方

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下剤の服用回数が減少し、中には服用せず排便がみられるようになったケースもあったといいます。しかも、便質検査から、下剤などのように、腸内フローラの状態に影響を与えず、腸内環境が維持されることもわかりました。

神奈川県藤沢市で最初に介護医療を開設した湘南長寿園病院の報告でも、高齢者の栄養管理と排便コントロールにも米ぬかパウダーが最適とされています。米ぬかパウダーの摂取前後で便量と便秘薬の服用状況の変化を比較したところ、毎日15g、2週間摂取すると、自力排便が困難だった患者26人のうち7人が、自力で排泄できるようになり、残り19人も浣腸の使用回数が半数以下になったそうです。米ぬかパウダーに排便サポート効果が認められました。

さらには、中尾健太郎医師によると、血液検査により、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果も認められたそうです。加えて、血液中のビタミンB1も増加が認められ、神経障害やアルツハイマー病への予防効果が期待されています。

米ぬかはまた、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなど、必須栄養素も豊富に含むので、マルチ栄養サプリとしても機能します。豊富に含まれるポリフェノールのうち、例えば、γ-オリザノールやフィチン酸は、血液をサラサラにして動脈硬化を予防、コレステロール値を低下させ、生活習慣病を予防します。血圧を下げる効果も認められています。γ-オリザノールとビタミンEは血管を広げて血行をよくするので、冷え性を改善、薄毛を予防する効果もあります。

米ぬかを効果的に取り入れるには?

では、どのように毎日の食事に取り入れたらよいのでしょうか?基本は、スプーン1杯の米ぬかパウダーを、いつもの食事にプラスするだけでOKです。

『腸スッキリ!米ぬか毒だしダイエット』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

前述の通り、きな粉のような食感と風味なので、シリアルやヨーグルト、ドリンクなどとも相性がよく、納豆や豆腐、キムチなどにかけてもおいしいので、朝食に取り入れるのがおすすめです。バニラアイスとも好相性で、米ぬかパウダーを1ふりすれば、罪悪感のない健康スイーツに変わります。料理にかけたり混ぜたりして、加えてもよいですし、小麦粉の代わりに使うのもおすすめです。

さらに、コンビニごはんや冷凍ごはんにふりかければ、食物繊維とビタミンミネラル、ポリフェノールをしっかりとれます。

米ぬかパウダーを使えば、簡単に栄養が摂れて、しかも、時短につながります。在宅で家族の食事を3食作るのは面倒だ、という方はもちろん、ひとり暮らしでどうしてもコンビニやテイクアウトメニューに頼りがち、という方にも心強い健康サプリなのです。

石原 新菜 医師・イシハラクリニック副院長

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いしはら にいな

1980年生まれ、医師・イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法などさまざまなアプローチで、数々の病気の治療にあたる。診療のほか、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。二児の母。

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