便秘で悩む人に知ってほしい「米ぬか」の効果 日本人が古くから親しんできた食材の取り方

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日本人が古くから親しんできた「米ぬか」の効果とは(写真:kikisorasido/PIXTA)
現代日本人は便秘の悩みを抱える人は少なくありませんが、できれば下剤には頼りたくないもの。イシハラクリニック副院長で、『スッキリ!米ぬか毒だしダイエット』著者の石原新菜医師は、日本人が古くから親しんでいる米ぬかには、自然に排便を促す効果があるとしています。本稿では、そんな米ぬかの効果や効率的な取り入れ方を説明します。

便秘薬に安易に頼るのは少々危険

コロナ禍、在宅時間が増えたことによる運動不足や食事の偏りなどの影響で、大人も子どもも年齢を問わず、便秘に悩む人が増加しています。とはいえ、「便秘薬を飲めばいい」と短絡的に考えるのは少々危険です。

便秘薬は、腸内フローラに影響を与え、腸内環境を乱してしまうことがあるのです。そうなると、最悪の場合、便秘薬を飲まないと自力での排便が困難になってしまうこともあります。

さらに、最近問題視されているのが「ポリファーマシー」の問題です。高血圧や糖尿病といった生活習慣病や基礎疾患のある人は、普段から複数の薬を飲んでいることが多いですが、そういった人に薬の相互作用による有害な事案が発生しているのです。「多剤投与」の課題解決、としてご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

便秘薬に頼ることなく、日頃の食事から、便秘を改善することが求められているのです。

そこで、筆者が今注目しているスーパーフードが米ぬかです。体にやさしい天然の食物繊維のサプリとして、またマルチビタミンミネラルサプリとして注目の食材です。日本人が古くから親しんできた食材で、最近では海外でも「ライスブラン」として健康志向が高い人たちの間で話題となっています。

米ぬかは、玄米の栄養素のおよそ95%が含まれている部位。米ぬかを食べれば、玄米を食べたのとほぼ同様の栄養が摂取できます。ちなみに、大さじ1杯で、玄米ごはん2膳分の栄養素が摂取できる計算になります。米ぬかを食べれば、玄米を炊く面倒なく、手軽に玄米の栄養素を摂取できる、ということです。つまり、米ぬかは、効率よく、手軽に栄養摂取がかなう、スーパーフードなのです。

では、米ぬかをどう食べればいいのでしょうか。

私がオススメするのは、「米ぬかパウダー」です。米ぬかパウダーとは、米ぬかを乾燥させたもので、家庭でも食用の米ぬかを乾煎りして作ることができますし、市販のものを購入することもできます。びっくりするほどさらさらで、風味と食感はきな粉のよう。食べやすいことに、きっと驚かれると思います。

この米ぬかパウダーには、医学界でも注目する人が出てきています。例えば、新戸塚病院副院長の中尾健太郎医師によると、基礎疾患を持つ患者6人に14日間米ぬかパウダーを毎日15g摂取してもらったところ、排便回数が、普通食の時は14日間で5.8回でしたが、米ぬかパウダー食後には、7.2回と2日に1回に増加したそうです。

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