コロナ禍での中国入国はこんなに大変だった! 音楽家ファンキー末吉が七転八倒した検査

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上海に着いた。入国の際にもまた厳重なチェックをやるのかと思ったら、出発の前に登録したQRコードでパスする。思うに、このコロナ禍によって、毎回入出国に書くいろんなカードがすべてこのように全部QRコードになればどれだけ便利なことか……、と思っていたら、外国人の入境カードは手書きで記入しなければならず、ちょっとがっかりした。

鼻の穴に綿棒を突っ込まれてPCR検査を受け、晴れて中国へ入国! 昔は必須だった外国人用の指紋チェックは行われなかった。荷物を取ったら上海の居住者、上海から近郊の省の居住者、そして私のように北京とか上海から遠い省へ向かう者に分けられてバスに乗せられる。

到着したホテルは、ホテル自体も隔離されていて一般の利用客は立ち入り禁止になっている。防護服を着たスタッフが物々しく入り口に立っていて、中国語でいろいろ説明をした後に6人ずつ中に入れられる。手渡された書類に情報を書き込んで、隔離に関する費用を支払う。

現金、カードが使えないホテルでの隔離費用

だが、4620元(約7万円)という人民元を持ち合わせていない。支払いはWeChatアプリやAliPayアプリなどを使って支払うか、中国の銀行カードを使って支払うしかないのだが、残念ながら1年にわたるカンボジアでのその日暮らしのせいで、どれも残高はほぼゼロなのである。

そこでカウンターで交渉! 「クレジットカードは使えませんか?」「使えません」「ドルは使えませんか?」「使えません」。隣の客が「じゃあ、私が両替してあげようか?」と名乗り出てくれたが、実際にドル札を渡すと、それが偽札ではないことを証明できないということで断られる。

「明日、会社から振り込んでもらうっつうことでダメですか?」と泣きを入れるが、「今日どうしても入金してもらわなければ困る」。とはいいつつ、この担当者の物腰が非常に柔らかくて好感を持ったので、私としても怒鳴り込んだりせず、ひたすら2人で「どうしよう」と困っているところ、この担当者が「よし、じゃあ俺が立て替えようじゃないか! 人民元はいくらある?」。なんていい人なんだ!

人民元残高をかき集めて3000元(約5万円)がある。担当者が「残り1620元(約2万円)を立て替える代わりに、その担保として200ドル(約2万1000円)を置いて行け」。まあ両替率は悪いけど、明日会社から振り込んでもらえれば200ドルは戻ってくる。この200ドルをスタッフに渡して、手続きはすべて終了した。

かくしてホテルの部屋に入り、ここから14日の隔離生活! その後は北京の自宅で14日間閉じこもる。はてさて、この隔離生活、どうなりますやら……。続きは私のブログで!
 

ファンキー末吉 音楽家

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ふぁんきーすえよし / Funky Sueyoshi

1959年、香川県坂出市生まれ。1980〜90年代に爆風スランプのドラマーとして活躍。大ヒット曲「Runner」「リゾラバ」などの作曲者でもある。現在、日本と北京で音楽活動を精力的に続ける。著書に『中国ロックに捧げた半生』『日本の音楽が危ない~JASRACとの死闘2899日』『平壌6月9日高等中学校・軽音楽部北朝鮮ロック・プロジェクト』『大陸ロック漂流記―中国で大成功した男』『ファンキー末吉の10日で覚える「ひとこと」中国語会話』など。

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