コロナ禍での中国入国はこんなに大変だった! 音楽家ファンキー末吉が七転八倒した検査

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しかし、持つべきものは中国通の日本人の友人である! 外国人がネットで登録できるサイトがあるという情報を得た。ここから情報を打ち込み、これで一安心。後は荷造りなどで時間を過ごしていたのだが、24日の夜中、ふとこのアプリを開いてみたら、「申請中」を意味する黄色から「不可」の赤色に変わってしまっている!

原因は、どうやら「IgM(免疫グロブリン)検査」の結果がないということらしい。しかし、ちゃんと血液検査はやったのだからその結果が反映されてないというのはどうも腑に落ちない。仕方がないので、フライト当日の25日朝にもう一度検査場に行って再度結果をもらうしかない。翌日は朝6時に起きて、朝一番で検査会場へ向かう。

入国に必須な「健康QRコード」が光らない!

検査会場のスタッフに事情を説明するが、「そんなことは知らない」とか「なんで書類もらった時にチェックしなかったのか」と言われる始末。そんな時には高圧的に出て、「英語で難しい文章を書かれた書類を渡されて、どうやってそれを理解してチェックしろと言うのか。私はあなたたちを信じている。だから信用してこの書類を受け取った。ミスはあなたたちのほうだろう!」とまくし立てる。これこそ、中国式だ。

書類も万全、あとはこのQRコードが緑色に変わればいいのだが……、変わらない(写真・筆者撮影)

結局、スタッフの1人が「うんうん」と聞いてくれて、中で待てと検査場に入れてくれた。それにしてもがらんとしている。一昨日の検査、そして昨日の書類受け取りの時にあれだけいた中国人はどこに行ってしまったのだろう。中国に飛ぶ便は毎日はないので、みんな問題などなく今日の便で帰国するのだ。自分だけがいつまで経ってもこの国から出られない……。そんな妄想に取り憑かれて、気分が落ち込んで来る。

ところが、検査場に出勤して来た女医さんの笑顔で救われる。彼女が心配して英語で色々聞いてくれて、笑顔でこう言ってくれたのだ。

「じゃあ書類を用意しますので、午前11時にまたここに戻って来て下さいね、ニコッ」。この笑顔は私の心をわしづかみにした。中国では特に、女性からこの「ニコッ」はありえないためだ。それから女医さんの笑顔に免じておとなしく待ち、午前11時に新しい検査結果をゲット! 今度は「IgM」という言葉があるのをちゃんと確認してアプリにアップロードし、搭乗までの間、ひたすらそれが緑になるまで待つことになった。

おおよそ1~2時間でアプリに結果が反映されるというので、14時ごろまで待って、緑色にならなかったら中国大使館に怒鳴り込もうという意気で、イライラしながら待つ。だが、14時になっても緑色に変わらない。がまんの限界である。けんか腰で中国大使館に向かうと……。

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