コロナ禍での中国入国はこんなに大変だった! 音楽家ファンキー末吉が七転八倒した検査

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隔離されるのは無理なので、次なる可能性は(1)チケットをすでに取得しており、出国まで14日に満たないので隔離は免除される。この場合、予定を変える必要がないので自分にとっても最も都合がよい。

次に、(2)2月25日にもフライトがある。その便に変更すれば制度変更前なので、隔離されることなく出国できる。出発までバタバタと慌てるが、PCR検査を受けて急いで出国すればOK。そして(3)出発便を先送りにし、14日間の隔離後に出国。でも、これはいちばん避けたい……。

いずれにしろ、プノンペンの中国大使館に行って相談するしかない。ところが、これがいちばんやっかいな存在だったことがわかってしまう。朝、大使館まで出向くと、大使館は予約のない者は入館禁止、まずは電話しろ、そしてメールを送れ!ということだ。

やっかいな存在だったプノンペンの中国大使館

中国語を話すようになってすでに30年ほど経っているが、日常会話ぐらいの中国語のレベルではビザの申請といったオフィシャルな言葉を聞き間違える可能性がある。それでトラブルが発生するかもわからない。そこで、中国人用窓口には中国にいるマネジャーから電話をかけてもらい、同時に現地向けの窓口には、カンボジア人の友人から現地のクメール語で電話してもらうことにした。

この時点で知りたかったのは、現在予約している3月4日の便では14日間の隔離ができないが必要ないのか。そして、もし2月25日の便に変更すれば隔離はしなくてもいいのか、ということだった。

中国人用窓口に電話した結果、回答は「まずビザ用の写真を送れ。それがないと何もできない」と言われた。写真を送っても、まったく返事が返ってこない。そこでカンボジア人向けの窓口に電話すると、「隔離はいらない」とのこと。ただし、3月4日の便でも隔離は免除してくれるのかどうかがわからない。

そこで私は、2月25日の便なら大丈夫だろうと想像してみた。それは、2月25日の便でも隔離証明がないので飛行機に乗れないことになる。しかし、もし乗れないのであれば、私の周囲の中国人コミュニティーでもっと話題になっているはずだが、それはない。

私は情報が交錯してはっきりしない時には、「どう聞いても八方塞がり」と感じられる情報には自分の耳を閉ざすことにしている。同時に「どうすればなんとかなるか」という情報だけを信じて、それに向かって突き進む。ダメであればどう転んでもダメ。それなら、悪い情報を信じて、自ら可能性を潰すことはあるまい、という考えからだ。

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