『アリス・イン・ワンダーランド』--映画が引っ張る経済成長《宿輪純一のシネマ経済学》

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 この“3D”であるが今年は、いよいよ3D元年とまで言われており、商品にも、産業的にも本格的な対応が進んでいる。もちろん3D設備を入れた映画館が増えるのは当然の流れではある。現在の映画館の経営はそれほど楽ではなく、デジタル化の流れ、3Dの流れの中で淘汰も進む可能性もある。大型3D映画では『トイストーリー3』も7月に公開が予定されている。

3Dテレビへの注目も高まっており、今年は世界の一流メーカーが一気に3Dテレビを発売する。主要テレビメーカー4社(ソニー、パナソニック、サムスン、LG)を中心とした2010年度の3Dテレビ市場販売目標合計は、約700万台といわれている。その目標達成には、魅力ある3Dソフトが必要不可欠である。

まだまだ3Dテレビには課題がある。割高な価格と、専用メガネを掛けなければならないわずらわしさである。だが、一般的に家電製品は価格競争が激しいこともあり、価格の下落は案外、早いのではないか。また現在、専用メガネを掛けない方式の3Dテレビの開発も進んできている。わずらわしさを軽減する技術開発も進展するだろう。

映画を起点として、技術が商品化され、企業・産業にも新しいマーケットが生まれるという構図は、経済成長のパターンとして望ましいことだ。

写真:ロンドン2月25日、アリス・イン・ワンダーランドのロイヤル・ワールドプレミア Jorge Herrera 2010 Getty Images

しゅくわ・じゅんいち
映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師。1987年慶應義塾大学卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。非常勤講師として、東京大学大学院、(中国)清華大、上智大学、早稲田大学等で教鞭を執る。ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。財務省・経産省・外務省等研究会委員。著書は、映画評論家として『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『アジア金融システムの経済学』(日本経済新聞社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA

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