「外国人の日本株への興味が高まっている」 <株価展望> 強気派・ゴールドマンの見方

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――アメリカの長期金利の急上昇を受けて日経平均が一時約1200円安を記録するなど、ここに来て不安定な状況となっています。

株式市場の観点でいえば、経済成長の織り込みとしてインフレや金利が上がっていくのであれば、景気がよくなっているという話であり、株式市場にはポジティブに働くことが多い。

ただし、上昇速度が穏やかであるならば、という条件付きだ。金利上昇のスピードが速すぎると株式市場はそれを消化できず急落する。最近起きたのは、そうした「スピードオーバー」だった。上昇が緩やかであれば、株式市場はそれを消化し、利益成長や景気拡大の恩恵を受けることができる。

景気回復と低インフレの併存続く

――実際のインフレ率の先行きはどう見ていますか。

当面、インフレ率が2%台に乗ることがあっても、FRBのパウエル議長が述べているように、コロナ禍の影響で昨年に低下した反動によるところが大きい。その一時的要因を除くと、アメリカの労働市場は失業率が高いなど依然たるみがあり、基調的なインフレはそれほど上がっていかないだろう。今年の年末時点でも1.8~1.9%程度と見られる。

FRBは平均インフレ目標を導入しており、2%を超えたからといってすぐに利上げはしない。利上げ開始は今のところ2024年前半だと予想している。一方、2021年のアメリカの実質GDP(国内総生産)は1.9兆ドルの追加経済対策の効果もあって前年比7%近い伸びが見込まれる。

――好調な景気回復と落ち着いたインフレが続く中で、ゴールドマンとしては今後の株価上昇余地をどう見ていますか。

アメリカのS&P500株価指数(3月8日終値は3821)で言えば、今年末に4300、来年2022年末に4600を予想している。

――予想PER(今後1年のEPSベース)ではどれくらいですか。

来年にかけ21~22倍が続くとみる。EPS成長と金利上昇による影響の引っ張り合いでほぼ同水準が続くと見ている。

――日経平均の今後の見通しは。

日経平均の水準に関しては現在見直し中なので言えないが、グローバル株と歩調を合わせる形で上昇基調が続くと見ている。経済回復の恩恵が大きいシクリカルセクターを全般に推奨している。

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