組織をまとめる「真のリーダー」に必要な3要素 世の中が激しく変化しても「未来は予測できる」
「これだけは死んでもやりたい」という強い気持ちがリーダーにないと、メンバーは好き勝手に動くだけになり、組織はまとまることなく空中分解してしまいます。「これはどうしてもやりたい」という明確な「旗」を掲げられること、これがリーダーの第一条件です。
少しオーバーにいえば、僕は、すべてのリーダーのやりたいことは、「〝世界経営計画〟のサブシステムであるべき」だと思っています。要するに「世界をどのように解釈し、それをどのように変えたいと思い、自分はそのなかのどのパートを受け持ちたいと思うか」ということに他なりません。
「仲間を集める力」とは「共感力」
2つめは「旅の仲間を集められる」こと。「これがやりたい」と旗に掲げることは、たいていは一人ではできないことです。だから協力者や同士を集める必要が生じてきます。
そのためには、ただ旗を立てるだけではなく、その旗にどんなビジョンが描かれていて、それを実現することがどれほど社会にとって有益かつ魅力的であるかを広く伝え、さらにはその旗を見た人に「自分もやってみたい」という気持ちを起こさせなければなりません。
僕はこの「仲間を集める力」を「共感力」と呼んでいます。そして、この話をするときにいつも思い出す求人広告があります。
(探検隊員募集。わずかな報酬。極寒。まったく太陽を見ない日が何日も続く。生還の保証なし。ただし、成功すれば名誉と称賛が手に入る)
これは1914年、ロンドンの新聞に掲載された「大英帝国南極横断探検隊」の隊員募集広告です。広告主は隊長のアーネスト・ヘンリー・シャクルトン卿でした。
よく読むまでもなく、労働条件は最悪です。でも冒険を求める人にとっては、これほど魅力的なコピーはありません。実際この広告の反響はすさまじく、世界中から5000人を超える応募があったそうです。そのなかから25人の精鋭を難なく採用したシャクルトン卿は稀代の共感力の持ち主だといっていいでしょう。
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