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「就職人気企業に飛びつく」日本人に欠けた視点 賞味期限がとっくに切れたかつての成功モデル

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  • 出口 治明 立命館アジア太平洋大学(APU)前学長・名誉教授
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こうした例は、ほかにもたくさんあります。周りがみなそうしているから何となくそれが正しいと思ってしまう。失敗が顕在化して自分が痛い目をみるまで気がつかない。人間というのはしょせんその程度の賢さしかない生きものなのです。

これまで何かに成功したからといって自分は何事においても正しい判断が下せると思い込むのは大いなる勘違いです。僕はいつも自分にそう言い聞かせています。

「自分の軸をつくる」のに必要なこと

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失敗しないためには、何事もゼロから自分の頭で考えなければなりません。しかし、これは口でいうほど簡単なことではないのです。

長年慣れ親しんだものの見方や考え方を手放すためには、自分の感情を理性でコントロールしなければならないし、それに成功したとしても、今度は自分のなかに新たな座標軸をつくらなければ次の判断ができなくなってしまいます。

「自分の軸をつくる」といっても、何からはじめればいいのか迷うのがふつうでしょう。ここでいつも僕が話しているのは「森の姿」をとらえよ、ということです。

「森の姿をしっかりとらえなければ、木を育てることはできない」のです。森の姿を見る、というのは、つまりは今の自分、今の会社、今の日本がどんな位置にあるのか、いままでよりも一歩引いた視点で俯瞰してみる、ということです。

どうやったら「森の姿」が眺められるのか。そのためには、見るべき木を定め、それと周りの木を比べることからはじめます。そして、個々の木にとらわれることなく、視点を全体に広げていく。かつての木はどうだったのか、隣の木はどんな様子か、そうしたことをつぶさに観察し記録をとってデータを見ていくうちに、次第に森の姿の全貌が浮かび上がってくるのです。

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