日本人が英語を身につけられない根本的な原因 世界中の科学的研究から導き出された勉強法

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音と勉強効率の関係については、さまざまな研究があるのですが、ここでは、ストックホルム大学のソダールンドらによる研究を紹介します。

【実験内容】
ノルウェーの7年生51人を、教師がリッカート尺度と呼ばれる基準によって、注意力が散漫と評価したグループAと、それ以外の対照群の2グループに分けて、あらゆる周波数成分を同等に含む雑音であるホワイトノイズの有無により学習効果の違いを比較した。

この実験で、なぜ注意力が散漫な生徒を抽出したのかというと、基本的には雑音は勉強の集中を妨げると思われがちですが、発達障害の一種ADHDの子どもは一定の雑音のある環境のほうが集中できるという先行研究があったからです。ちなみに、グループAにADHDと診断されている人はいませんでした。

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その結果、全体的な成績の差は見られませんでしたが、2つのグループでホワイトノイズの有無とその際の成績を比較したところ、ホワイトノイズありの場合、グループAでは成績が上がり、対照群では反対に成績が下がっていました。

この研究に照らし合わせていうと、飽きっぽいという自覚のある方は、ある程度雑音がある環境のほうが集中でき、成績が上がるということになります。

ちなみに、この実験で流したホワイトノイズは78デシベルでしたが、イノリイ大学のミータらの研究によると、無音~50デシベル程度の環境よりも、70デシベルくらいの環境のほうが、創造性が高くなるようです。

日頃静かな環境で勉強していて、飽きてしまう、集中できない、と思っている方は、音楽をかけてみたり、ラジオを流しっぱなしにしてみてもよいかもしません。

仕事、資格試験、受験勉強にも使える勉強法

「覚えられない」「集中できない」「すぐ飽きてしまう」「やる気がでない」は勉強のやり方の問題です。英語のセンスがない、とか、英語が苦手だからといったことが原因ではないのです。

もちろん、これらの方法は、英語の勉強だけに限った話ではありません。
仕事でのインプット、資格試験、受験勉強、お子さんの勉強まで、全部に使える方法です。

せっかく勉強するなら、しっかりと脳にインプットして、必要なときにしっかりアウトプットできるよう、記憶に定着させたいもの。あなたがいまやっている勉強法を、今一度、確認してみてはいかがでしょうか?

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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