「持続化給付金詐欺に参加した」18歳少年の告白 テレビで報道されるまで詐欺とは思わなかった

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なぜ普通の少年が「持続化給付金詐欺」に加担してしまったのか?(写真:タカス/PIXTA)
投資詐欺に遭った大学4年生の青年と、ニュースで報道されるまで「持続化給付金の不正受給は違法」だと知らなかった18歳少年。2人はなぜ犯罪者の手口にやり込められたのか? 今、日本で実際に起きている「詐欺の手口」を元捜査一課刑事でデジタル操作班長として活躍してきた佐々木成三さんの書籍『スマホで子どもが騙される』より一部抜粋・再構成してお届けします。

2020年9月のある日、実際に投資詐欺に遭い、さらに闇バイトによる詐欺に遭いそうになったという大学生に直接話を聞くことができました。待ち合わせの喫茶店に現れた彼の印象は、いかにもお金が好きそうな派手な大学生……ではありませんでした。

話してみると性格は大人しく素直で、受け答えもはっきりできる好青年。現在私立大学の4年生で、将来は教師を目指しているとのこと。中高時代から野球をしていて、犯罪経歴はもちろんなく、過去だまされたこともなかったそうです。

ただ本人が言うには、誘惑に弱く、人から頼まれると断れない性格。そしてお金に対する願望が強いほうだったそうです。とても詳しく話してくれたので、その一部をわかりやすく箇条書きで紹介しましょう

なぜ「投資詐欺」を信じてしまったのか?

・ツイッターのアカウントを使って、現金プレゼント企画のアカウントをたくさんフォローしていた。その理由は、お金に興味があり、現金プレゼントをしている起業家から本当に自分の友だちが10万円をもらった経緯があって、ほかにも同じようにお金を配ってくれる人がたくさんいると思っていたから。

・ツイッターをフォローすると、おいしい投資の話、副業やいい資金調達方法ありますよ、などのダイレクトメッセージがたくさん来る。そのアカウントの多くに札束の写真が投稿にあり、この人たちはお金をたくさん持っている人なんだと思ってしまった。

・メッセージのやりとりをしていたら、「今日会えるか」と言われ、お金がほしいので会うことに。都心のホテルのカフェで待ち合わせをしたら、20代前半くらいの華やかな容姿の女性Aさんが現れ、「将来、教師を目指している」ことなどを話した。その女性は、「昔はだまされて借金をたくさんしたけれど、今は、いろいろな人に助けられて稼げている」などと言い、投資のチャートも見せられた。

・投資をしている人や経営者もたくさんくるパーティに誘われて出席。みんなやっているから投資は安心だよとAさんに声をかけられ信頼をもち、投資したい気持ちが加速した。

・車を転売することによる投資話を勧められた。最初の2カ月は5万円をもらったが、その後、全くお金が入って来ず、初めてだまされたことに気づいた。

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