「持続化給付金詐欺に参加した」18歳少年の告白 テレビで報道されるまで詐欺とは思わなかった

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次は、最近多くの人がだまされた持続化給付金の詐欺の話です。私の知人の息子さんが実際に詐欺に遭い、話を聞くことができました。

「持続化給付金」の不正受給に加担したB君

持続化給付金とは、新型コロナウイルスの感染拡大で経営や仕事に大きな影響を受けている中堅・中小企業、小規模事業者やフリーランスを含む個人事業者に対して、事業の継続を支えるために給付しているお金です。

だまされたのは18歳のB君です。不正受給が発覚したのは、B君の父親に、ある会社の社員からかかってきた電話でした。その内容は、「息子さんから弊社の社員に持続化給付金を不正受給してお金を稼ごうという誘いのLINEを受けている。弊社としてはこの事実を看過できないため、連絡した。もし犯罪行為をしているのであれば、持続化給付金を返済した上で、警察に出頭したほうがよい」というものでした。

父親がB君に連絡すると、100万円不正受給したことを素直に認め、警察に出頭しました。

B君が不正受給した経緯は以下のとおりです。

・インスタグラムで「簡単にお金を稼ぐことができる」といった内容の投稿を見て、B君が投稿者(今回の主犯)にダイレクトメッセージを送る。

『元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される』(青春出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

・相手(犯罪者)から、「持続化給付金は、本来はもらえない18歳以上の学生でも社会人でも生活が苦しいのであれば30万円をもらえる」とメッセージがくる。お金がほしかったので、その話に乗る。このとき、犯罪者に自分の個人情報を伝える。このときB君には、これが詐欺になるという認識は全くなかった。

・犯罪者から「まずは確定申告をしなければいけないから、こちらで作った確定申告書を税務署に持っていくように」と教示を受け、税務署に確定申告を行う。

・確定申告終了後、犯罪者と電話をつなぎながら、持続化給付金をインターネットで申請。申請は全て犯罪者から電話で教えてもらいながら入力する。

次ページ最後まで「詐欺」と気づかなかったB君
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