「持続化給付金詐欺に参加した」18歳少年の告白 テレビで報道されるまで詐欺とは思わなかった

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・申請後2週間くらいで100万円が着金されたので、そのお金の手数料として70万円を、その日のうちに犯罪者に手渡しする。犯罪者(20歳前後の男性)は自宅近くまでお金を取りに来た。

・そのとき、「同じやり方で紹介をしたら1万円あげる」と言われ、友人の社員などにLINEをする。

・テレビのニュースで持続化給付金詐欺が報道されるようになり、怖くなって紹介をやめた。

詐欺だと気づいてもいなかったB君

どう思われましたか?

読んでわかるように、B君は持続化給付金のニュースが流れるまで、これが詐欺だとも気づいていませんでした。しかも、給付された100万円のうち、手数料として70万円も犯人に渡しています。手元には30万〝しか〞残らないことになりますが、B君からすれば「30万円〝も〞手に入った」と思ってしまったようです。

しかも、最終的には100万円を返金することになり、B君は大損をしたことになります。もし身近に、資格がないのに持続化給付金を不正受給している人がいたら、ぜひ、まずは100万円を返金して、警察に出頭するように助言してあげてください。

それは、その人の個人情報を知ってしまった犯罪者からこれ以上、狙われないようにするためです。警察に摘発されることを恐れて、犯罪の深みにどんどんはまり込み、犯罪を重ねてしまうよりも、わかった時点で自首することが、何よりも本人のためなのです。

佐々木 成三 元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課・警部補

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ささき なるみ / Narumi Sasaki

1976年、岩手県生まれ。デジタル捜査班の班長として、デジタル証拠の押収解析を専門とし、埼玉県警における重要事件において携帯電話の精査や各種ログの解析を担当した。また、捜査本部に従事し、被疑者の逮捕、被疑者の取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当として数多くの実績を挙げた。2017年、「事件を取り締まるのではなく、犯罪を生まない環境を作りたい」という思いから埼玉県警を退職。現在は、TV番組にコメンテーターとして多数の番組に出演するほか、学生を犯罪リスクから守ることを目的に設立された「一般社団法人スクールポリス」の理事を務め、学校や企業での講演など幅広い活動を行っている。

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