日本人は「ジョブ型雇用」の本質をわかってない 配置転換が当たり前の日本企業に染まった人へ

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このようなメンバーシップ型雇用の環境にどっぷり浸かっている従業員が大半を占める日本企業が、「ジョブ型雇用」に切り替えると、冒頭の藤田さんのように戸惑ってしまうケースが見受けられる。

経済産業省が2018年に実施した新・社会人の基礎力に関する調査でも、「実現したい仕事」や「キャリアへの希望」があるのは、半数以下という結果が出ている。

「ジョブ型雇用」は「自らのキャリア選択に対する主権」が個に移行される動きであり、人生100年時代、1つの企業で勤め上げることが困難な時代においては、本来、歓迎されていいことである。そうであれば、この「変革の流れ」を積極的に社会変革や企業変革のトリガーにしていくことが大切といえるだろう。

ここからは、私見も交えるが「メンバーシップ型雇用」に適応してしまっている従業員が、「自ら専門性を磨き、自らキャリアを歩む」ためのポイントについてお伝えしたい。

「ジョブ型雇用」に適応するための3つのポイント

第1のポイントは「自らのキャリアを振り返ること」である。私がこの10年強、若手・中堅・管理職など多くの人材育成に関わる中で、日本企業で働く従業員に対して感じることは、「業務には向き合うものの、自分に対して向き合う機会が圧倒的に不足している」という現実である。

例えば、「やりがいを感じた瞬間」「成長を感じた瞬間」「心が躍り、わくわくした瞬間」などを、研修の中で言語化・アウトプットを求めても途方に暮れている社員を数多く見てきた。むしろ、目の前の仕事に愚直に向き合うために、そのような「自分の感情」を封印し、あえて考えないようにしているとすら感じる場面が多かった。

今後のキャリアを考えるためには、自分がどのようなキャリアを歩んできたのか、何にやりがいを感じるのか、まず整理することから始めるのが効果的である。

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