210兆円のうち、最も短い6カ月債は41.2兆円、1年債を42兆円発行する。つまり、1年以下の国債を39.6%も発行する。2年債も36兆円発行する計画で、2年以下の国債比率は119.2兆円、全体の56.8%にのぼる。
119.2兆円という金額は、事前に満期を決めて市中発行する国債の、2020年度当初予算における発行額合計117.4兆円よりも多い。新型コロナの前の国債発行総額に相当する額を、今や2年以下の満期でしか借りられないという状況に置かれているのだ。
自転車操業状態の日本財政
いつからこんな状況になったのか。それは、2020年度の3次にわたる補正予算で国債を大量発行したことが原因である。2020年度の補正予算では、事前に満期を決めて市中発行する国債を83.5兆円追加発行したが、このうち6カ月債が45.6兆円、1年債が15.3兆円、2年債は9兆円だった。追加増発した国債のうち、2年以下は83.7%にのぼった。
2020年度の補正後予算で1年債を大量に発行したため、早くも借り換えを迫られている。2022年度にも、2020年度に発行した2年債と2021年度に発行した1年債の借り換えが待っている。もし市場のニーズがなければ、長い満期の国債で借り換えることができない。日本の財政は、まさに自転車操業状態である。
金利はほぼゼロなので、今のうちに50年債や100年債、永久債(満期のない国債)を大量発行すればいいという主張もあるが、それどころではないのが実情だ。
日本政府といえども、民間金融機関のニーズを聞かずに強引に長い満期の国債を発行できない。50年後や100年後の日本の財政や経済の状況がどうなるかわからないのに、そんな長い満期の国債を多く買う民間金融機関はほぼ存在しない。現状でも長い満期の国債は自由自在に出せず、30年債と40年債を合わせた構成比は10%未満にとどまる。
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