英単語は丸暗記よりも「語源」で覚えるべきだ ネイティブレベルの語彙数を芋づる式に習得

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「英単語=丸暗記」という人は多いのでは? いくつもの単語を一度に覚えられるコツを紹介します(写真:CORA/PIXTA) 
自粛期間中に英語の学び直しをしようと意気込んでも、「英単語」を暗記する時点で挫折……という人も多いのでは?
しかし、ベストセラー『英単語の語源図鑑』の著者・清水建二氏によると、「“偏(へん)”や“旁(つくり)”などからその意味をある程度推測できる漢字と同じように、英単語も“接頭辞”や“語源”といったパーツに注目すればそのニュアンスを推測でき、いくつもの単語を芋づる式に覚えることができるようになる」といいます。
本稿では同書より、一部を抜粋・編集してお届けします。

lavatoryとlaboratoryの区別がつかなかった大学時代

「先生、英単語はどうやって覚えるのがいちばん効率的ですか?」。これは、私の職場である高校の生徒たちからよく聞かれる質問です。

英単語集は、さまざまあります。「試験に出る」単語集、「例文」で覚える単語集、「ゴロ」で覚える単語集、「イラストを見ながら」覚える単語集、「CDを聴きながら」覚える単語集などなど。実にさまざまな本が書店に所狭しと並べられています。

ただ、「最も効率的な英単語の覚え方は、語源学習によるものである」。これが約40年間、英語を指導してきた私の結論です。

そもそも私が語源に着目したきっかけは大学時代に遡ります。当時、lavatory「トイレ」とlaboratory「実験室(研究室)」の区別がどうしてもできない時期がありました。そこで、この似て非なる2つの英単語をじっくり見比べてみると、laboratoryの単語の中に、laborという「労働」を意味する単語を発見したのです。

その後、語源辞典でlaboratory を調べてみたところ、「labor(労働)+ory(場所)」という記述があり、「“労働する場所”だから実験室なのか……」と、まさに目から鱗が落ちました。lavatory とlaboratory。一見、似たようなつづりですが「語源」を知ると、その違いが明確になります。思い返せば、その頃から私は語源の世界に魅せられていたのでしょう。

一見、このような学習法は、遠回りに思われるかもしれませんが、語源の力によって1万語レベルの語彙が身につくことは、すでに語源研究によって実証されています。

ちなみに「1万語」というと、英字新聞や雑誌を不自由なく読める程度の語数とされています。このレベルにもなると、社会・経済・政治などの分野で使われる学術語や抽象語も含まれるようになり、より高度な世界に広がります(ちなみにネイティブの平均語彙数は3万語、東京大学の入試合格に必要なのは6000語だと言われています)。

このようなネイティブレベルに匹敵する語彙数を、語源学習によって効率的に手に入れることが可能になるのです。

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