一人ひとりが持てる力をフルに発揮できる企業を目指す--武田幸男・ファイザー執行役員人事・総務部門長/ダイバーシティ経営大賞女性管理職登用部門賞受賞記念スピーチ
本日はこのような、たいへんすばらしい賞をいただきまして、誠にありがとうございました。私どもファイザー社員一同、今回の受賞をたいへんうれしく思っております。
先日、社内のウェブに受賞のことを速報で掲載したところ、社員からのアクセスが多く、「たいへん名誉である」「誇りに思います」というコメントが寄せられ反響を呼んでいます。
われわれファイザーのグローバルには「ワールドワイド・ダイバーシティ・リーダーシップ・コミッティ」という組織がありますが、その組織やアジアの人事トップ、またグローバル人事などさまざまな人からもお祝いのメッセージをもらい、社内はちょっとした騒ぎになっています。
これまでは「日本のダイバーシティは、他の国と比べるといちばん遅れている」というのがグローバルからの評価でした。その国で、今回この賞をいただいたことにより、日本だけでなく海外の人たちも「すごいな!」とたいへん喜んでいます。お祝いメールが多くて読むのもたいへんですが、こうしたうれしい悲鳴というのはたいへんありがたいことで大歓迎ですし、社員のモチベーションも上がっております。
それでは、まず私どものダイバーシティについて、若干お話をさせていただきます。私どもファイザーの経営戦略の中に「Great Place to Work ;働きがいのある、働きやすい職場」の実現を挙げています。
働きがいのある職場をつくるために、会社として大きく4つの方針があり、それに向けて取り組んでおります。「ダイバーシティ&インクルージョン」をはじめとして、「ワークライフ・マネジメント」「社員のエンゲージメントの向上」、最後に「カイゼン文化の醸成」です。この4つはそれぞれ相互にリンクしています。
ダイバーシティに関して、最近では多くの会社で取り組まれているようですが、われわれの目指しているダイバーシティは「多様性」を「インクルージョンする」ということです。つまり人のあらゆる違いを尊重したうえで、独自の個性を活かし能力を発揮できる環境を構築することが、個人一人ひとりの生きがいだけでなく、組織においても活力あるいは成功に導くものだと考えています。
さらに言えば、ダイバーシティ&インクルージョンは、1プラス1が2になるのではなく、企業と個人の成功を3にも4にも、さらには10にもすると考えています。ダイバーシティは単なる「福利厚生」や「多様性を認める」というだけではなく、個々人の個性を活かして、革新的なアイデアやビジネスモデルを創造し、組織として成果も出すということがファイザーでの位置づけです。